犬の問題行動とは?

チャイムが鳴ったらずーっと吠える、トイレを失敗してしまう、噛み癖がある、、、犬は成長の過程で、社会のルール、家庭でのルールを学習していきますが、そのルールから外れてしまった「問題となっている行動」を指します。問題行動がひどくなると、家族の悩み、不安の種となり、飼育が難しくなるケースも出てきてしまいます。ひどくなる前に、問題の芽をつむことが重要になりますので、まずはどのような問題行動があるのか、ご紹介します。

どこから問題行動?

犬が社会の一員である以上、守るべきルールというのがあります。
例えば「人間を傷つけてはいけない」「他の犬を傷つけてはいけない」、こういったルールは法律で決まっているルールですね。また、「吠えがひどく、近隣の迷惑になっている」「家の前を通る子どもに飛びかかってしまう」「リードなしで散歩する」、こういう犬の行動は地域社会のルールを守っておらず、不適切な行動です。さらに「トイレはトイレシーツでする」「キッチンの中に入ってはいけない」など家でのルールがあります。この3つのルールに反した場合は、問題行動とみなされます。

つまり、

問題行動=「飼い主が問題と感じた行動」または「社会が問題とする行動

ということです。

Tip
たとえ犬という種にとって正常な行動であっても、発生するシーンが不適切だったり、程度が過ぎていたりする場合には、社会や家庭でのルールから逸脱してしまうため、問題行動となりえます。ただし、犬にとっては自然な行動ですので、同時に犬のウェルフェア(犬にとっての幸せ)を考え、指導方法や行動修正を行っていく必要があります。犬・人間双方にとってよりよい解決方法を探っていきましょう。


攻撃行動とは

噛みつき、うなり、吠えなどの他者に向けた威嚇行動や危害を与える行動のことです。つまり、相手をやっつけようとしたり、獲物を捕える行動です。犬という種にとっては正常な行動ですが、人間への攻撃行動は社会的に許されることではありません。また他の犬への威嚇がある場合は、ドッグランやドッグカフェにつれていけないなどの悩みに繋がります。


攻撃行動の種類

原因や対象によって、問題行動の種類が変わってきます。代表的な問題行動を紹介します。

・家族などの身近な人間に対する攻撃行動
・家族以外の見知らぬ人間に対する攻撃行動
・恐怖や不安から発生する攻撃行動(恐怖性/防御性攻撃行動
・自分の縄張りを侵された場合の攻撃行動(縄張り性攻撃行動
・所有物を主張するための攻撃行動(所有性攻撃行動
・食べ物を守るための攻撃行動(食物関連性攻撃行動
・同居している身近な犬同士の攻撃行動
・同居していない見知らぬ犬に対する攻撃行動

Tip
特に人間に噛み付く、攻撃態勢を取る、こんな行動が見られたら至急プロに相談しましょう。残念ながら、自然に行動が良くなるということはありません。。。適切な指導のもと、早急に社会のルールを守れるように行動修正を行うことをおすすめします。万が一、犬が家族以外の第三者に噛み付いてしまったり、事件になってしまうと、最悪の場合、殺処分される可能性があります。


不安障害とは

犬は不安になるとしっぽを巻いたり、震えたり、心拍数が増加したりしますが、問題行動となるのは「パニック」になってしまい、家中をめちゃくちゃにしたり、怪我をしたり、脱走したりする、また失禁や肛門腺からの分泌液放出などの強い生理的現象を引起こしているような状況のことです。幼少期のトラウマや、社会化の不足により引き起こされることが多いようです。


不安障害の種類

原因となる刺激の種類により分類されます。代表的な問題行動を紹介します。

・特に明確な刺激がない全般性不安障害
・愛着のある人やものと離れることによる分離不安
人間に対する恐怖
場所やものに対する恐怖
音恐怖症
雷雨恐怖症
花火恐怖症

Tip
不安な状況を作らないということがまずは重要です。花火の音が怖い場合は、当日に犬を連れて外出する、クレートに入れて音が聞こえないよう、静かな部屋に移動する、などをしましょう。そして、徐々に恐怖を感じるものに慣らさせていきましょう。例えば花火の音が怖い場合、Youtubeの花火の音を聞こえるか聞こえないか、位の音の大きさから始めて徐々に大きくしていきましょう。


不適切な行動とは

犬にとっての正常な行動が飼い主にとってはNGであったり、あるいは飼い主の何気ない行動や生活習慣によって、誤って強化された行動となってしまうことがあります。また、幼少時は問題とならなかった行動が、犬が成長し、サイズが大きくなるにつれて、問題行動と見做されることがあります。


不適切な行動の種類

不適切な行動は行動のタイプによって分類されます。代表的な症状をご紹介します。

・飼い主の関心を求める行動
・無目的にしつこく継続的に同じ行動をとる(常同行動
 └過度のなめ行動
 └尾追い行動や回転行動
 └蝿追行動
 └影や光追い行動
不適切な場所での排泄
マーキング行動
・加齢にともなう認知機能不全
・拾い食い(異嗜
食糞
・無駄吠え(過度な鳴き声)
・ものを破壊するような噛み行動

Tip
他にも過活動、飼い主に何かをねだる懇願行動、夜間に飼い主を起こす行動、乗り物酔いなどの移動に関する問題、飛びつき行動、飼い主のものを盗む行動など、いろんな種類があります。原因は様々ですが、原因に応じた対策を取ることで、改善させていくことができます。


問題行動を発症させないためには?

こういった問題行動にならないよう、できるだけ幼少期から予防をしていくことが重要です。そのために基礎的なしつけのトレーニングを行っていくようにしましょう。トレーニングに早すぎるということはありません。また、小さいうちは、まだ恐怖や不安より興味や好奇心が勝り、どんな人やものにも積極的に接触していきます。この時期にいろんな刺激に慣らすことで、どんどん社会化をさせていくようにしましょう。


すでに問題行動を発症しているという場合は?

まだトレーニングをしたことがないという場合は、トレーニングはいつからでもできますので、まずは明日からトレーニングを開始してみましょう!

また、すでに手に負えない状況の場合は専門家にも相談することも検討してください。

犬にとってのウェルフェアを考慮しつつ一緒に解決する手段を考えてもらうことができます。

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