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オスワリできますか?

こんにちは、問題行動を抱えているワンちゃんのカウンセリングをするとき、必ず質問するのが

「オスワリできますか?」

すると、飼い主さんはたいがい「できます!」と答えてくれます。

でも、

「他に人がいてもできますか?」
「美味しいものがそばにあってもできますか?」
「隣に犬がいてもできますか?」

と聞くと、途端に飼い主さんの顔が曇り、「・・・できません」になってしまうのです。


1.オスワリのコマンドとは

コマンドは、犬が聞きたいときだけに聞くものではなく、飼い主さんの指示に従って犬がいつ、いかなるときもちゃんと聞いてくれる、という状態を作るのが望ましいですね。つまり、他に気になるものがある状態では飼い主さんとコミュニケーションできない、飼い主さんの言うことを聞けないというのでは、きちんと信頼関係が築けていないということです。

例えば、なにか怖いものが近づいてきたとき、わーっと逃げ出すワンちゃんがいます。これを散歩中にやられてしまうととても危険です。道路に飛び出してしまったり、飼い主さんがリードを手放して、行方不明になってしまったりしますね。

なので、怖いものが近づいてきても、飼い主さんのコマンドを聞いていれば怖くないと考えてもらえるようにトレーニングしていきます。

また、逆に気になるものがあると飼い主さんの「オスワリ」を聞かず走り出してしまうワンちゃんもいますね。例えば、お散歩=嬉しい!となって玄関を開けたら急に飛び出してしまうようなワンちゃんも、同じくリスクがあります。

こういうことがないように、オスワリというのは、単純にオスワリのポーズをするのではなく、周りがどんな状態であっても、犬と飼い主のコミュニケーションができるような状態にします。


2.オスワリのトレーニング

ハンドシグナルやバーバルシグナルで「オスワリ」の姿勢が取れるようになったら、次はどんな場所でも、どんな状況でも「オスワリ」ができるようにトレーニングを行っていきます。

このとき、急に難しくしないようにしましょう!

いつもリビングでトレーニングをしているのであれば、例えばこんな感じでトレーニングをしていきます。

1.リビング以外の場所、寝室や玄関、窓際で
2.犬が吠えていたり、テレビの音がついていたり、物音がしている状態で
3.フードやおもちゃが周りにある状態で

ここまでは家の中で行っていきます。ここまでできるようになってから始めて外でもトレーニングを行っていきます。

4.屋外の静かな場所で(公園など)
5.車や電車の音がする場所で(線路脇や道路近くで)
6.犬や人通りの多い場所で(駅周辺など)
7.ロングリードを使って飼い主と距離がある状態で

さらに上級編にトライするときは

8.家族が帰ってきたり犬にとって、とっても楽しいことがあっても「オスワリ」ができるか
9.雷や飛行機の音などあまり馴染みのない犬が苦手な音を聞いても「オスワリ」ができるか
10.オスワリだけではなく「オスワリ+マテ」ができるか

なんかも試してみるといいですね!

刺激量を急に増やすと犬からすると急に難易度が上がって、成功できなくなります。一つの段階が70%くらいできるようになってから次のステップにいきましょう。次の段階ができない場合は、前のステップに戻ってもう一度トレーニングをします。


3.トレーニングの重要性

どうですか?ここまでできるようになると、安心して「オスワリができます」という状態になりますね。逆に、こういったステップを踏まずに、

「外に出るとオスワリができない」
「お散歩の準備をすると落ち着いていられない」

なんて飼い主さんから相談を受けることがありますが、「そりゃそうだよね」って思います。教えてないんですから、犬はそんな状況でも座らなきゃいけないなんて知りません(笑)

いろんなシチュエーションを作ってみて、どこまでならコマンドを聞けるのか、聞けないのかを把握することも非常に重要です。コマンドが聞けない状態はどういうときか、ということを把握することで、犬が好きなこと、嫌いなことも明確にわかってくるようになります。

ぜひいろんなことを試して、犬との信頼関係を構築してみてください!


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