230221 日経 KYB、車部品生産国内回帰 日本精機はソフト設計移管、際立つ日本の低賃金
自動車部品大手が生産や設計を海外から国内に戻す。油圧機器大手のカヤバ（KYB）は一部の足回り部品の生産を北米から日本に移す。車載メーターを手がける日本精機はソフト設計機能の日本への移管を始めた。
新型コロナウイルス禍による混乱や地政学リスクの高まりを受け、製造業では安定的な供給網構築が急務だ。人件費などのコストが相対的に低い日本に生産などの機能を回帰させる動きが広がってきた。
車向けシート大手のタチエスは「トリムカバー」と呼ぶシート素材を国内で増産する。秋田県や長野県での工場の生産を増やす一方、中国での生産を減らす。
ロシアのウクライナ侵攻から約1年が経過し、アジアでも地政学リスクへの意識が高まっている。自動車は他産業への波及効果が大きい。車部品の国内回帰を契機に製造業などで同様の動きがさらに広がる可能性がある。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？