230225 日経 ヴェリタス (コモディティーウオッチ) トウモロコシ輸出の主役が交代 資源・食糧問題研究所代表 柴田明夫氏
ロシアのウクライナ侵攻から1年。戦争は泥沼化し終結の糸口が見えない。年明けのシカゴ穀物相場は侵攻直後のピークは越えたものの、コロナ前の水準には戻らない。
2022/23年度の世界小麦生産量は過去最高を予測。ロシアは生産量、輸出量いずれも過去最高になるとみる。
世界のトウモロコシ生産量は減少。米国、アルゼンチンの生産量は干ばつの影響で減
一方、ブラジルは増、ウクライナも大幅改善。トウモロコシの輸出量でブラジルが米国を抜き、世界最大になる。
米国は世界最大のトウモロコシ生産国には変わりないが、生産量の44%が産業用に振り向けられ、輸出余力が減っている。
今後のトウモロコシ輸出市場がブラジル、アルゼンチン、ウクライナに依存し、より不安定化することを意味する。
もう1つの注目点はコメ市場の動き。
22/23年度の世界のコメ(精米換算)生産量は減る。主要輸出国のタイとベトナムの輸出量は共に減少。
昨年末までトン当たり400ドル強で推移していたタイの輸出米価格は、2月に入り500ドルを突破。
昨年は、コメ、小麦、トウモロコシの3大穀物のうちコメ価格だけが安定だったが、今年は穀物市場に高値波乱シナリオも。
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