デンマークのアパートで強制退去勧告を受けた話
結末から話してしまうと、強制退去はせずに済んだので安心してお読みいただければと思います。今現在は完全にコレ状態です。
いきさつも踏まえて、皆様が同じ轍を踏まないように、眠れぬ夜を過ごさないように、朝食も喉を通らず硬水で腹を下してしまうことがないように、そんな祈りを込めて書きます。
ちなみに、写真の「AFLEVERINGSATTEST」はデンマーク語で「重要書類!」とか「○○勧告!」とかそういう強めの言葉ではなかったです。
届けましたよ、くらいの意味でした。何故赤字…。
5月19日:家賃滞納連絡
事の始まりは、5月中旬。
今年の3月1日に入居契約を済ませて、住み始めた現在のアパート。IKEAやJYSKを回りながら、ようやく一通り家財を揃えて生活が落ち着いてきた頃だった。
件のGW旅行も終えて、一息ついたところにアパート管理会社から1通の手紙が届いた。
手紙の上段には、表で何やら見覚えのある数字が並んでおり、その数字から家賃の話をしているというのが読み取れた。
しかし他はすべてデンマーク語で書かれており、何が書いてあるのかサッパリなので、Google Translateのアプリをかざしながら手紙を読み込む。
ホント、この機能なかったらこの国で生きていけなかったと思う。
ありがとうGoolge。
「the above rent has not been paid on time」
どうやら、5月の家賃が振り込まれていないらしい。
入居時と4月分の家賃は、まだデンマークの銀行口座ができていなかったこともあって会社から管理会社へ振込(海外送金)をお願いしていた。
5月の家賃支払いのタイミングではもう口座が取得できていたので、自分で支払うことにしていたのだが…
こういう変更をすると大体問題が起きる。
デンマークで公共系のお支払いをするときはBetalingsservise、通称BSと呼ばれるアプリから支払うことになっているので漏れなく自分も登録していたのだが、どうやら支払われていない模様。
4月下旬に5月の家賃の請求が来て、「BSに登録してね~」とあったので登録したのにまさか支払われていないとは。
BSのアプリから支払情報を見てみると、ステータスがAwaits collection from Creditorとなっている。
え?これ俺責なの?そっちのcollectionの問題じゃないの??
と思うのだが、支払われてないのなら仕方ない。
口座振り込みでもいいからやらなくてはいけない。
改めて手紙を読むと、
ということなのだが、この手紙を開封したのが、5月19日。
この手紙の作成日付が5月9日。
作成から配達までにすげぇラグがある気がするけど、幸い支払い期限はまだ過ぎてない…!!
ということで、管理会社に連絡し、口座への直接振り込み方法を聞く。
その他にも、
とか、契約時に支払ったデポジットのこととか色々書いてあったけど、とりあえずいったんは5月の家賃を支払えばOK、なはず。
焦りはしたが、なんとか手紙を開封したその日中に振り込みを完了し、振込の金額と送金先が分かるConfirmation画面のスクショを撮って管理会社にメールを入れて一件落着。
かに思えた。
こういう時に「振り込んだよー」とメールしても「確認しましたー」の一言も返信してくれないのがホント酷い。
6月1日:強制退去勧告
あっという間に5月も終わり、北欧も夏らしくなってきた。
皆ベランダに出ては思い思いの日光浴をし、市内ではアペロールが飛ぶように売れ、海に飛び込む若者もいる。
そんな季節。
仕事を終えて家に帰ってポストを開けるとアパートの管理会社からまた手紙が来ていた。
相変わらずパッと見で何が書かれているのかわからないので、もちろんGoogle翻訳に頼る。
この時ばかりはiPhoneを持つ手が震えた。
脳内「え?」と「は?」でいっぱい。
一呼吸おいて、もう一度落ち着いて翻訳された画面を読むと、「5月9日に連絡した滞納家賃が振り込まれてないので、強制退去が決まりました。6月9日までに出て行ってね。」とのこと。
テンポ良すぎか?
家賃未払いで5月中旬に銀行振り込みした件しか心当たりないが、いやいやそれ振り込んだよね!?
一応銀行口座のトランザクションが払い済になっているのを確認→OK。
督促の支払い期限過ぎてなかったよね?→5月9日から14days以内だからセーフ。
そういえば今日は6月の家賃引き落とし日!→件のBSアプリから6月の家賃引き落とされてる。→強制退去確定してるのに家賃ちゃっかり受け取るのズルくない!?!?むしろそれで補填できないのか!?!?
隣の家か?宛先間違いか??→何度読んでも自分宛だ…。
などなど色々考えを巡らせるも、何もわからない。
ということで、もうホント意味が分からないので、まずは説明を求めるべく管理会社に連絡。
夜も21時を過ぎていたので、さすがに電話しても出てくれないだろうし非常識なので「call me immediately」と添えてこちらの必死感を伝えたメールを送る。
海外の慣習はよく知らないけど、日本だとさすがにここまで一発アウトになることはなくない???
3か月くらい滞納してて、家に直接ピンポーン来たり、休日に電話かかってきたり、督促状含めいろんなお手紙がたくさん来たりして、ようやく強制退去、みたいな感じじゃないの???
でも売り手市場のコペンハーゲンのお家情報はわからんし…。
契約書に書いてあったかもしれないし…。
でも、払ったもんは払ったんだ。
悪くない。
期限は守ってる。
大丈夫だ。大丈夫だ。
これで「間違いでした!」なんてことあったら許さねぇ!
こんな気持ちで自分の行いを肯定しながら、夏至も近づく6月に眠れない夜を過ごした。
翌朝、ソワソワが止まない。
朝食もあまり食べる気にならない。
しかし、握りしめた携帯は鳴らない。
電話しろって、言ったよなぁ…?
本当に全然電話掛かってこないので、平日だし仕方なく出社する。
9時。まだ電話かかってこない。
9時半。いい加減おかしいだろ。絶対出社してるだろ。メール読んだだろ。こっちから電話かけたろか??
と思っていたところで、1通のメール。
自動リマインダ飛んじゃったじゃねぇよおおおおお!!!!!
そんなことある?
termination letterだって。怖っ。
こんな強制退去勧告みたいな大事な、心臓に悪いものを自動で飛ばすなんて、リマインダ切ってなかっただなんて、あり得る!?!?
と思ったけど、「Sorry」と書いてあったのでゾロに免じて許すことにした。
ヨーロッパ圏でも、Sorryってちゃんと言うんですね。
謝ったら負け、みたいな強気の姿勢と聞いていたのでグッと溜飲が下がってしまった。
っていうか、やっぱり一か月家賃振り込まないだけで強制退去させられる可能性が十二分にあるということなんですね。
「引き落とし用の口座にお金移すの忘れたまま夏の間バカンス行ってました~」
とかヨーロピアンならありそうだけど、大丈夫なのか??
ともあれ、皆さまお気を付けください…。
追伸というか、蛇足。
この件の返信に「もぉ~マジでビビらせんなよ!!」とメール書いてやろうと思ったので、そういう時英語でなんて言うのが自然なんだろ?と思って調べてみたところ、日本語直訳的な
「Don't make me scared!」
は一般的ではなく、
「You scared me!」
が自然な表現のようです。
そんなこんなで、今も楽しくお家に住まわせてもらっています。
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