1日1建築 ⑱ 「ワッツタワー」
✅ 「ワッツタワー」
サイモン•ロディア / アメリカ ロサンゼルス
✅ 最怖のスラム街で咲いた一輪の花
彼ははイタリアからアメリカ合衆国に移民し、人生のほとんどをカリフォルニア州ロサンゼルスで過ごした人物。彼はロサンゼルスのスラム街、ワッツ地区(英語版)で暮らし、日雇いの左官として働いていたが、ある日を堺に突然自分の土地に塔を建て始め、「ワッツ・タワー」と呼ばれる高層建築を自力で作り上げた。
✅ 構造
材料は全て拾ったりタダで手に入れたものばかりで、タワーの装飾は自然と製作期間の時代時代に多く存在したもの、(セブンアップのビンとか)地域に存在したものばかりとなっています。30mに及ぶ高さにも関わらず、足場を組まずに製作。その装飾の多様さ、塔の複雑かつ有機的な形態は、30年という長いトキが刻まれている。
構造は棒状の鉄を鉄製の網で覆い、そこにモルタルを手作業で塗り付けたもので、材料の微妙な違いはあるものの、基本的には鉄筋コンクリート造といえます。
✅ 違法建築
市はこの塔を不許可建築として取り壊そうとしたが、この塔の価値に注目した映画業界人、美術研究者、建築家らによって守られた。しかし、構造テストをクリアしないと許可できないとして、「10,000ポンドテスト」が実施された。その名の通り、横から10,000ポンドの力で引き、それに耐え得るかのテストが行われたが、テストを行う車が壊れてしまうほど強かった。
ボルトや溶接を一切使わずに、工具も電動ではなく基本的なものだけを使って建てているにも係わらず、内から外へ3次元に複雑に入り組んだ塔の「足」はフライング・バットレスとも呼ばれ、ゴシック建築の構造だ。
✅ ナイーブ•アート
彼自身は、塔の集合体を「Nuestro Pueblo」(われらの町)(スペイン語)と呼んだ。なぜ塔を造るのかと問われたロディアは、ただ「何か大きなことをやるべきだと思った。だからやった」と答えたという。
彼は建設後にワッツを去ったが、塔に対する子供達の嫌がらせや苦情など、近隣とのトラブルによる疲れであった。彼はワッツを去った後、二度と自分の塔を見ることはなかった。
ビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』には、ロディアの顔写真が掲載されていたり、ワッツ地区には彼の名を冠したSimon Rodia High Schoolなど、彼(そしてアート)を称え、歴史の一部として今もなお息づいている。
アート先進国のヨーロッパそして、アメリカなどは、高尚な趣味ではなく生活の一部としてアートが存在している。イギリス•ブリストルでバンクシーのストリーアート(違法)が市が住民投票を行、保存することになった。
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