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”伝道師”ベイソン氏が語る、デンマークの競争力

今月の連載記事では、国立機関「デンマーク・デザイン・センター(DDC)」CEOであるクリスチャン・ベイソン氏に話を聞きながら、デンマークでデザインの力が、いかに”社会をデザインする”というところまで広がってきたのかについて書きました。

ベイソン氏は日本にも何度も足を運び、デザイン思考や「人間中心のアプローチ」を伝えてきた人です。これまで来日した際に、どんなところで講演やワークショップをしてきたんですか、と聞いてみると、経済産業省にデジタル庁、東京都に東京大学に電通に富士通に…と次々と知名度のある組織の名前が上がっていました。ちなみに、デジタル庁によるこんなnoteの記事も。

今回の連載記事では、DDCという存在が果たしてきた役割と、デンマークにおける「デザインの深い意味」というテーマで語ってもらい、その具体例でまとめたわけですが、実はインタビューの中でけっこうな時間を割いて話をしてもらったのが、この連載の主要なテーマでもある「なんで午後4時に帰るような働き方をしているのに、競争力が高いの?」というテーマでした。

これについては、未来の競争力につながる発想の秘訣、という側面から、デザイン思考と関連して連載記事の後半部分でも触れております。ちなみに連載原稿の全文は、メンバーシップ向けに来週公開しますので、もう少々お待ちくださいませ。

ただ、デザイン思考とは関係ない、一般論としてのデンマーク経済と「競争力」や「先見性」という切り口で語ってもらった内容も、とても面白かったんですね。特にベイソン氏は、日本で数多くの講演などをこなしてきた経験から、様々な立場の方と話をし、日本の会社カルチャーもわかった上で語ってもらったため、わかりやすく響くものがありました。

ただ、この部分は、今回の連載のテーマからは少し離れることと、そもそも原稿の長さ的に収容しきれなかったので、こちらに書くことにしました。労働組合の参加が鍵となった"北欧流参加型デザイン"(Scandinavian participatory design)が、デザイン思考の起源になったんだよ、という話だとか、リスキリングについても興味深かったです。

以下、ベイソン氏のインタビューからの抜粋です。

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