柳田庸子/yoko yanagita

フリーランスのマーケティングコンサルタント。水産、鶏卵メーカー勤務を経て独立。日替わり…

柳田庸子/yoko yanagita

フリーランスのマーケティングコンサルタント。水産、鶏卵メーカー勤務を経て独立。日替わり店長のバーで月一店長もやっています。座右の銘は「情けは人の為ならず」と「時の流れに身をまかせ」。

最近の記事

TKGブームの舞台裏・後編 〜独占しない商標戦略〜

前回の記事「TKGブームの舞台裏・前編」で、ブロガー向けのサンプリングプロモーションがきっかけとなって、TKGブームに火がついた経緯を書いた。 TKGブームにはもう一つ大事な要素があった。 「商標」である。 商品名やブランド名などを商標登録しておくと、許可なく他者が使用できなくなるという商品やブランドの価値を守るために必要な制度なのだが、一方で、使いたい名称が、登録されている商標と同じ、もしくは類似していて使えなかったり、その仕組みを利用して、例えば有名人の名前などなんで

    • TKGブームの舞台裏・前編 〜卵かけごはんのインパクトはすごかった〜

      マーケティング理論が続いたので、ここらでちょっと実例を。 T(たまご)K(かけ)G(ごはん)をご存知だろうか。 これを流行らせたのは、手前味噌だが私たちチームだと思っている。 当時、卵メーカーに勤めていた。鶏を飼って、卵をパックして売る会社だ。マーケティングチームは3〜4人(入れ替わりの激しい会社で。笑)、業務内容も、ブランディングから商品開発、販促、広告、広報とそれっぽいことは何でも。 どうやったら卵がもっと売れるかばっかり考えていた日々。 Nさんという優秀なスタッフ

      • ターゲットは設定しないといけないの?

        マーケティングでは、想定する顧客をターゲットと言う。 マーケティングに携わり始めたころ、お客様を狙い撃ちするような表現に抵抗があった。 そんな時にあるプロジェクトで関わってくれたマーケティングプランナーさんに、「ターゲットって想定しないといけないんでしょうか?」と聞いてみた。 その方の答えは、こうだった。 目の前に、年齢も国籍も職業もバラバラな人が100人いたとして、何かを伝えたい時に、全員に伝えようとすると誰にも伝わらない。 だけど、目の前のたった一人に伝えようとして話

        • マーケティングは愛か戦争か

          前回の記事で、マーケティングを 戦略・作戦・戦術 で分けて考えてみた。 マーケティングには軍事用語が多い。商品を買ってくれるだろう対象者をターゲットと言うが、標的ってことである。最初はすごく違和感があったのに、今ではすっかり慣れてしまった。 マーケティングは、戦争に喩えるとわかりやすいのは事実。 領土(売上)を拡大するためには、近隣諸国の情勢(市場)や敵国(競合・消費者)の情報を収集して分析し、自国(自社)の資源をどう使えば勝てるかの戦略を立てて実行する。 マーケターは、情

        TKGブームの舞台裏・後編 〜独占しない商標戦略〜

          どのマーケターの言うことを聞けばいいのか?という問題

          「マーケティング」と言われて何を思い浮かべるだろう。 調査? Webマーケティング? ブランディング? 商品開発? 同じ「マーケティング」という言葉を使っていても、頭に描いているイメージが違っているな〜と思うことがよくある。人はだいたい自分の立場を基準に思考するもので、経営者なら経営視点、日々数字を見るWebマーケターなら人の心にささりコンバージョンがあがるキーワードを考えることがマーケティングかもしれない。 「マーケティング」が指す領域は結構広い。 デザイナーに、ファ

          どのマーケターの言うことを聞けばいいのか?という問題

          マーケティングを漢字一文字で表すと・・・

          マーケティングに本格的に触れたのは、最初に勤めた会社でマーケティング部に異動してからのこと。 古い体質の、中途採用もほぼない日本企業。部内にマーケティングを教えてくれる人はおらず、上司から勧められた本は意味がわからず、自分がやっているのがマーケティングなのかもよくわからない日々。上司たちが、よくマーケティング部の機能や体制について組織論を戦わせているのを不思議な気持ちで聞いていた。 そんな中、部内で唯一マーケティングのプロと言える、世界有数のマーケティング調査会社から転職

          マーケティングを漢字一文字で表すと・・・

          マーケターはお見合いおばさん

          生業として、マーケターと名乗っている。 マーケティング理論に精通しているわけでもないし、私より優れたマーケターさんはいくらでもいる。 だから、マーケティングについて書くなんて、おこがましいにも程があるのだが、私の話をもっと聞きたい、noteに書いてほしいと言ってくれる人たちに向けて書くことにした。 よく褒めてもらえるのは、わかりやすいこと。 例えば、仕事上多くの人が多少の経理の知識は必要だけれど、みんなが簿記一級を持っている必要がないように、マーケティングも今の時代多少

          マーケターはお見合いおばさん