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映画「ソウルフル・ワールド」窓をあけて、ゆっくり深呼吸。 それだけで、君の人生はすてき。

こんにちは。
みなさん、おこもりの調子はどうですか?わたしは、絶不調です。(笑)むしろ絶好調な人っているんですかね?(笑)

多分、2020年、寂しかったけど自分なりに一生懸命自粛もがんばりました。なのに、コロナちゃんたちのいなくなる気配がないので、2021年のこの先を考えるとゲロってしてたからです。

そんなこんなで、ブツブツ落ち込んでたこの前の3連休。Netflixにも飽きていた私に、神の手が差し伸べられました。お姉ちゃんが、Disney+に入ってくれたのです。

ということで、早速アカウントをシェアしてもらい、気になってた「ソウルフル・ワールド」を見ました。

で、この前の3連休だけで2.5回くらい見ました。(そうです。もちろん暇です。)

まずは、しっかり自分で見て。また次の日に、音楽好きの友達ともう一度。そして、その友達と2人で、心に響いたところだけを贅沢にもう一度。

Disney作品って、ジブリと一緒でNetflixやHulu、Amazon Primeじゃ見れないから、映画館行くかレンタルするしか方法がないですよね。だから、Pixarの最新作を気軽に何度も見れちゃうってすんごい贅沢だなって思うんです。お姉ちゃん、本当にありがとう。カムサハムニダ。

「ピクサー物語の舞台裏」ワークショップ

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それは3年前。
「ピクサーのお話作りを学ぶ」と題したワークショップに参加したことがありました。講師は、「インサイド・ヘッド」の助監督を務め、脚本家の1人としてアカデミー賞にのノミネートされたほど超大物のローニー・デル・カルメン監督。

その時に、「インサイド・ヘッド」の制作秘話もお話してくれました。これは、結構有名な話ではありますが、「インサイド・ヘッド」は、ピート・ドクター監督が娘と接する中で、娘の心の変化を理解できないことに悩んだ実体験を元に作られた物語。

クリエイターたちが、実際に経験したことを物語に落とし込んでいるので、見る側も心から共感できる場合が多いのだと思います
。(ちなみに、助監督のローニー・デル・カルメンさんは、「カールじいさんと空飛ぶ家」の最初のオープニングシーンの部分を考えました。あれも実際に彼の人生で起きた悲しい出来事からインスピレーションを受けたそうです)

そして、そのワークショップに参加して印象に残ったのは、物語が完成するまで、何度も何度も何度も何度もピクサー内でスクリーニング(試写会)をして、ピクサーのレジェンドやあらゆる関係者からあーだこーだ言われて、何度も何度も何度も何度も地獄のようにストーリを修正していって、何年もかけてやっと作品が完成するということ。

「修正」って15秒のCMですら大変なのに、2時間以上にわたる物語の修正なんて…考えるだけで頭壊れます。すごすぎます、ピクサー。

あらすじ

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ニューヨークでジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師ジョーは、夢が叶う直前にマンホールに落下してしまう…。彼が迷い込んだのは、ソウル<魂>たちが地上に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める世界だった!
そこでジョーが出会ったのは、やりたいことを見つけられず、“人間に生まれたくない”と何百年もソウルの世界に留まっている“22 番”と呼ばれるソウル。夢のために地上での人生を取り戻したいジョーは 22 番に協力を求めるが…。奇跡の大冒険を繰り広げる二人が、最後に見つけた<人生のきらめき>とは…?日常の中で<人生のきらめき>を見失っている全ての人へ贈る、”魂”を揺さぶるファンタジー・アドベンチャー!

壮大すぎるほど壮大なテーマ「生きるとは」

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「インサイド・ヘッド」を見た時は、人間のの中や心の構造をこんなにも分かりやすく表現しできるのかと驚いたのを覚えています。今回、ピート・ドクターが手がけたこの物語のテーマは、なんと「生きるとは」。もはや、哲学やん。さらにその先の、もうぶっ飛んだそのはるか彼方までいっちゃってますやん。

ちょっと怖いはずの「死後の世界」を絶妙に表現

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小さい頃からめちゃめちゃいろんなことを考えるのが好きなんですが、そんな私でも絶対に考えたくないことがあります。それは、死んだ後のこと
これ考えるだけで一回小さい頃に気を失いそうになったことがあります。(笑)もちろん、生と死は切っても切り離せない関係なのですが、怖くてあんまり考えるのも想像するのも好きじゃないです。

そんな「死後の世界が苦手」な私みたいな人でも、怖がらずに物語を見れて、かつ死ぬことについて考える機会をやさしく教えてくれてます。

例えば、最初にジョーが意識不明になって、Great beyondの橋からさらに落っこちる時とか。ドゥドゥドゥドゥっていう、低音だけどリズムが小刻みでなんか軽快な音とモノトーンなのに怖い世界だと感じさせない感じ。さらに落っこちる時とか。ドゥドゥドゥドゥっていう、低音だけどリズムが小刻みでなんか軽快な音モノトーンなのに怖い世界だと感じさせない感じ。「無」なんだけど、「無」じゃない。それが伝わってくる世界観なんです。

もちろん、死後の世界だけでなく、死ぬ前の世界も非常に重要な要素として、この作品では紹介されるのですが、そこもまたすごい。すごく分かりやすい。「魂(ソウル)」をファクターとして、どうして私たち人間の性格は
千差万別なのかをわかりやすくアニメで表現してくれています。

ピーター・ドクター監督のインタビュー映像を見てたのですが、彼的には、死後の世界に関してはいろんな解釈があるから、少しだけの表現にとどめて、基本的には生まれる前の世界にフォーカスを当てたそうです。

削ぎ落として生まれたソウル(魂)のキャラクター

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先ほども書いた、以前参加したワークショップでは、ピクサー映画のキャラクターたちが、どうやって生まれるのかというエピソードも聞きました。その答えはとてもシンプルで、膨大なリサーチからキャラクターが生まれるとのこと。

ソウル(魂)を、こういう可愛らしく、かつ誰でもなんとなく魂なんだと分かるものにできたのも、本当にすごい。監督はインタビューで、「魂だとしても、本人だと分かるように。ものすごく削ぎ落としていったんだ。生前は、手も足も基本いらないから、必要な時だけ出てくるとかね」と話していました。また、Great Beforeにいるジェリーたちは、2Dと3D間のようなキャラクターとして意識。角度によって違って見えるように挑戦したそうです。

音楽・ジャズのリアルさ

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この作品を2回目に鑑賞した時は、音楽も自分で作っちゃうような友達と一緒に見たのですが、彼女はジャズにももちろん詳しくて。ジャズのシーンは、本当の人たちが演奏してるみたいって言ってました。

あと、主人公のジョーがピアノを弾きながら「ゾーン」に入っちゃうシーン。「あーわかるわかる。こうなるんだよね」とポツリ。

当たり前ですが、アニメを超えるジャズのクオリティ。そして、音楽の世界で感じることをアニメとしてちゃんと表現しているのは流石ピクサー。

見たことないのに、見たことあるように感じるソウル

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「生まれる前」のソウルも、「生まれてからのソウル」のことも。
今まで誰もじょうずに説明できなかったことが、分かりやすくアニメ映像と表現されています。

例えば、さっきも話したジョーがピアノの演奏中に無心になるゾーン状態に入っていたっとき、ソウルはどんな状態になっているのか。他にも、映画の中盤で出てくる現実の地球上でヘッジファンドの仕事に取り憑かれている男性のソウルはどうなっているのか。

生まれる前だけでなく、生きてる間だって、いろんなソウル(魂)の種類があることが良く分かります。

生きる意味という壮大なテーマに届けられたやさしい答え

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ーーー ネタバレあります ーーー

トイストーリーでも、インサイドヘッドでも、シュガーラッシュでも、
とにかくピクサーの作品たちは、物語の終わりまでに唸るような2点3点のツイストが入っています。

主人公のジョーにとって、ジャズは生きる目的そのもの。プロのジャズピアニストになりたい!ジャズが無ければいきている意味なんてないじゃん!と言わんばかりの情熱で満ちあふれているジョー。

実際に映画を見ている私たちも、ジョーの姿を通して「情熱的なきらめき(目的/情熱)があってこその人生なんだ」と感じていきます。それは、一般的にも良くある考えですよね。だから、人は情熱を持てる仕事やきらめきを探して就職したり転職したり、家族を育んで、子供にどんな情熱があるのかを探していくわけですから。

でも、ジョーが生きる前の世界に迷い込んで出会った22番が地球上に降りた時に感じたのは、地下鉄に言った時に感じた、せわしない雰囲気の中にある刺激。誰に見向きをされなくても歌いつづける男性の歌声の美しさ。地下鉄に言った時に感じた、せわしない雰囲気の中にある刺激誰に見向きをされなくても歌いつづける男性の歌声の美しさ。そよ風が気持ちい太陽の下で歩くことの楽しさ。木の葉が待って、自分の手に乗ったときの感動。

そんな一瞬一瞬のささなことに喜びを感じる22番。

そんな22番に対し、「そんなの生活の一部であって、生きる目的ではない。」と言い放つジョー。

でも、物語の後半。ずっと憧れてた舞台に立った後の虚しさを経験して
ジョーは気づきます。大事なのは、きらめきよりも一瞬一瞬を大事に精一杯生きること。憧れの舞台で憧れの人と共演するずっと前から、自分の毎日は素晴らしかったこと。

このメッセージ、わたしはジーンってきました。コロナなんて想像してなかったタイミングでこの作品は作られたものだと思いますが、きっと今のどよんとした日々を生き抜く私たちに響くものがある気がします。

最後に
野菜コトコト切って、深呼吸して、生きてるだけで大丈夫

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正直、2021年に入ってからなんかコロナちゃんに対して疲れてきちゃってたわたし。かなり最近無気力になっていました。大きな目標とか考えるのが無理。ってなってたんです。

そんな時にこの作品を見て、映画の最初のジョーみたいなパッションがなくても、おうちでコトコトあったかいお味噌汁を作って、食べて体があったまってホッとしたり。元気?って言える友達が多少いたり。外歩いて、空気吸って、今日もちゃんと生きてるなって思ったり。それだけで君の人生はすでに100点だっていうことを再確認させてもらいました。

"Best out of what we have" すでに自分が持っているもので、一瞬一瞬を大切に生きるんだよ。と監督が言ってました。

とりあえず、明日も起きて、窓たまにあけて、深呼吸して過ごしましょ。
それだけで合格です。ピクサーさん、今回も本当に素敵な作品をありがとう。

またまた、長文になってしまいました。ごめんなさい。最後まで読んでくださってありがとうございました。だいぶ疲れている全ての人に見てもらいたいです。(多分世界中のみんなです。)やさしさに包まれましょう。

<Podcast: ソウルフル・ワールドのEpisode>
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