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03|技術者だからこそ「個人の実績」を作る工夫をする【”自己投資時代”の建設キャリア】

はじめまして。よこりょーです。

まずは、この記事を開いてくれてありがとうございます。

このマガジンでは、紆余曲折あって建設・不動産業界に12年、計4社を渡り歩いている筆者の経験と思考について勝手気ままに綴っています。

簡単に言うと、「キャリア形成」という観点では建設業界に相当の不満があり不満解消のために何をして今のキャリアになったのか、そんなこんなを語ったマガジンです。

「へぇ、こんな考え方もあるんだ。」とか「まさにその通りだわ。」とか、はたまた「いやいや、こいつ何も分かってないな」とか、ご自由な意見を持ちつつ、ライトな感覚で楽しんでください。

ダメだと思ったらすぐポイしてもらって構いません。

しかし、建設関係者にはそれなりに価値提供できる内容になっていますので、マガジンの各記事を読んでいただけたら大変嬉しいです。

さて、現時点ではこのマガジン内の記事には以下の記事があります。

また、”ビルキャリ.”という施工管理のキャリア専門メディアも運営しているので、興味があれば覗いてみて欲しいです。

では、前段が長くなってしまいましたが、マガジン03弾は技術者だからこそ「個人の実績」を作る工夫をするです。

どうぞお付き合いください。

このnoteは全文無料で読めます。
”読んでみて面白かったら”で構いません。
「スキ」を押して頂けたら嬉しくて小踊りします。
是非最後まで読んでみて下さい。


【第6話】大手なら「ライフワークバランスが整うだろう」という幻想

建設業で働いている人の中には、大手に行けば状況が変わるだろうと思っている人もいる。

だが、大手であろうと現場で働いている以上ライフワークバランスは整わない。

むしろ大手の方が全国展開している分、単身赴任や転勤の可能性は高く、家族と会う時間はより少ないかもしれない。

大手と中小の違いと言えば、年収の額と福利厚生の手厚さだけだ。

私のところに一人相談の連絡をくれた方がいた。

彼は大手ゼネコンに勤めながらも家族との時間をとれないことに疑問を抱き、異動か転職かに迷っていた。さらに、すでに3年の単身赴任を経験していて、今後も地方勤務の可能性が出てきたところで、私のTwitterアカウントへDMをくれた。

色々話を聞いてみると転職において特に気にしていたのは、
・時間を優先する仕事を選ぶと年収が下がること。
・33歳という年齢で転職してからのキャリアに不安を感じていること。
だった。

どうだろう。ゼネコンで施工管理をしている世の中の現場監督は、みな同じ悩みではないか。仕事で付き合いのある各大手ゼネコンの現場監督達だって、決してホワイトな環境で仕事などしていなかった。だからここで私は確信した。

大手だろうと中小だろうと、ゼネコンの就労状況と社員の悩みは同じだ!


【第7話】『ゆとり』を持ちたいのなら身を置く場所が重要

結論から言おう。

生活に『ゆとり』を持ちたいのなら、『ゆとり』を持てる業界に行く。

元も子もない話だけど、これは紛れも無い事実だ。

なぜなら、年収や働き方は業界で9割決まっているから。

具体的な例で言えば、私の職人時代の上司の年収は約500万円だった。これはゼネコン時代の私の年収より低い。
また、ゼネコン時代の上司の年収は700万円台だった。これは私のディベロッパー時代の年収よりも低い。
当然会社により年収に差はあるのでこの通りとは言えないが、多かれ少なかれこの現実に気付いている人は多いはず。

極端な例で言えば、ソフトウェア業界大手の平均年収は1127万円と言われる。これに対して建設業界大手の平均年収は748万円。その差は379万円。これは出世やそこらで埋められる差ではない。

つまり年収の相場は業界が握っていて、社員の頑張りによる昇給は誤差だということ。

さらに働き方を見ても同様のことが言える。

私の経験してきた例で言えば、
・職人のときは朝6:00~の夜22:00の週6日(週に約90時間の労働)
・施工管理のときは朝7:00~午前2:00の週6日(週に約108時間の労働)
・ディベロッパーのときは朝9:00~18:00の週5日(週に約40時間の労働)
だった。

業界と職種でこうも違う。

また、産業別の年間の総労働時間を見ても、建設業は全産業と比較して336時間も長い。1日8時間労働に換算すると、40日以上多く働いていることになる。(参考:建設産業政策2017+10 国土交通省)

これは「働き方改革」「業務効率化」などで改善される程度の差ではない。あまりに突出し過ぎていて笑えるほどだけれど、これが現実。

だからもし、生活に『ゆとり』を持ちたいのなら、『ゆとり』を持てる業界に行く。自分の身を置く場所を変える"転職"をすることが唯一絶対の変革の条件なのだ。

ここで、「転職なんて家族に負担がかかるし難しい」「キャリアを捨てて転職なんて非現実的だ」「経験も浅いのに業界を越えるなんて厳しそう」と思った方。それは当然の感情だと思う。

実際、私もこれまでの業界を越える転職で同様に「やっていけるのか…」と不安になったこともある。

しかしほとんどの人が見落としているのは、多くの時間を費やして苦労して得た今のあなたの知識や経験は、業界を越えてもなお「役立つスキル」ということだ。

だからこの機会に考えを改めて欲しい。

行動するだけで生活は変わる。

仕事で帰って来ない、休日出勤もよくある、子供のイベントにも参加できない。今の時点でこれ以上の家族の負担があるだろうか?

キャリアを捨てることではなく、キャリアをステップアップさせることが転職なのだ。

この"転職"で生活が変わることを理解していながら、実践している人はまだまだ少ない。みな分かっていながら足踏みをしているから実現できていない。まずはそのことに気付いて欲しい。


【第8話】他業界への転職はさほど難しいことではない

おそらく転職をするにあたっては、他業界への転職はハードルが高いと思い込んでしまっている人も多いのではないだろうか。

言ってしまうが、他業界への転職はそう難しいものではない。

理由は、先ほども言ったとおり建設の施工経験や知識は他業界でも需要があるからだ。

例えば、建設に近しい不動産業界。特にディベロッパーなんかは施工の知識は重宝される。私が転職して経験しているのだからこれは間違いない。

ディベロッパーに入って分かったのは、ゼネコンとコストや工程の交渉になっても、担当者は施工を知らないからネゴができない。つまり追加工事などの交渉ごとでは、ゼネコンにイニシアチブを取られがちなのだ。(ときにはディベロッパーの傍若無人な圧力で踏み倒されることもある)

ここに施工経験者のチャンスがある。

使う能力は変わらないのに、立場が違うだけでこうも世界が違う。施工・コスト・工程がわかり、交渉ができる施工管理はディベロッパーではのどから手が出るほど欲しい人材だ。

だから繰り返し言う。他業界への転職はさほど難しいものではない。


【第9話】企業はあなたを安く買い叩こうとしている

ただしひとつ注意して欲しい点がある。

それは、「企業はあなたを安く買い叩こうとしている。」ということだ。

企業側としては中途採用で社員を取るのは非常に高い買い物で、一度採用すれば解雇はもちろん、減給だって難しい。期待して採用してもその分の働きをしてくれなければ採算が合わない。正社員として雇ってしまうと人事評価のテーブルにも乗せないといけないから、よりリスクが高い。

だから多くの企業は中途採用者は契約社員からスタートする。採用してダメだったときに切りやすくするためだ。そして正社員登用試験を受け、正社員になるが、そこはいわゆる限定職で総合職より低い給与であることが多い。そして仕事の内容や量といえば、総合職とも変わらないことをする。

さらに都合が悪いのは”派遣”だ。

「自社の社員で雇うより、人材派遣会社からいつでも切れる安い労働力を使った方が、効率がいい。」

派遣社員を雇う理由はそういう発想からだ。

派遣される社員は、人材派遣会社の給料で働きながら、働き方は派遣先の現場。

決して諸手をあげておすすめできる職種ではない。

※正社員登用を目的にorフリーランスとして派遣先を探している。という場合においては派遣がおすすめできる場合もある。

とにかく、中途で採用される人材は「出来るだけ安く使い倒そう」というレールに乗せられている。

私も最初の転職で入った中小ゼネコンで「安く買い叩かれ、使い倒される」という失敗をしている。(当時は視野が狭かった・・・)

第二新卒で中小のゼネコンに就職をしたのだが、そのときの採用年収は新卒のそれより低く、同期との年収の差に気付く4年目まで、2年後輩と同じ等級・年収で働いていた。(採用時の年収が低いことに気付いたのはさらにあと)

会社の人事もこの件については何も言及してくれなかった。

"バレるまで黙っていよう精神”である。

これを知ってこの会社への不信感を強くしたのは言うまでもない。

ただ、このように扱われてしまったのには原因がある。

それは”私が替えの効く人材”だったからだ。

もし仮に私が会社を辞めても、会社は他の人材を雇えば事足りてしまう。いくらでも替えの効く人材であれば、できるだけ安く雇おうというのは当たり前の論理になる。


【第10話】替えの効かない人材を目指す

もしかしたら聞き飽きている人もいるかと思うが、この当たり前の論理を変えるためには、”替えの効かない人材になる”ことが必要になる。要は”差別化”だ。

あなたにしかできない仕事をあなたがしているのであれば、会社は辞められては困る。だから待遇も良くなる。良くならないのであれば高く買ってくれる会社へ転職するだけでいい。

とは言うものの、特殊な現場で無い限り、現場監督がやっている仕事は皆同じなのだから、替えの効かない人材になるには少し"工夫"が必要になる。

それはまず、”勤める会社内で「この仕事ならあいつ」と言われるようになる”こと。

強調しておきたいのは”勤める会社内で”の部分だ。

『20代で人生の年収は9割決まる』という私のキャリア観を作った本がある。

その中にこういった記載がある。

たった一つの自分の強みを見つけ、そこに全精力を注ぐ。そのほうが、突き抜ける可能性は高まり、リスクヘッジになると僕は思うのです。

全くその通りで、まずはひとつの”強み”を持つことがあなたを替えの効かない人材にしていくことになる。

例えば、会社内でこの「この仕事ならあいつ」という”強み”を見つけると、その会社にいる限り”強み”を発揮できる仕事はあなたに回ってきやすくなる。仕事は増えるかもしれないが、これは見方を変えれば転職市場で評価されるポイントが増えることでもある。

回ってくる仕事を数多くこなすうちに、あなたの“強み”はさらに経験値を積んで専門性が磨かれる。そしてこなした仕事は「あなた個人の実績」になる。

この「あなた個人の実績」と「会社の仕事の実績(施工管理)」を持てるようになると、差別化の図られた”替えの効かない人材”になっていく。

そうなれば、転職市場で売りに出しても高値で(高年収)で採用してくれる企業が現れる。技術者としては、この状態を目指さないといけない。

具体的な例を出してみよう。

私は施工管理時代は工程に重きを置いて業務を行った。そして転職した財閥系ディベロッパーで年間100件近い新規プロジェクトの工程を適正化する業務を担当した。

もちろん社内の通常業務に加えて、個別の業務として選任された。この業務は1000人以上の社員の中で3人しかやらないし、やれない。

そもそもディベロッパー内には施工管理経験者がそんなに多くない。そのうち工程の長短を1日単位で判断して、ゼネコンの営業さんや所長、社内の事業決裁者と調整しながら工期を設定していける柔軟性を持つ人は、もっと少ない。

だからこの仕事は替えが効かなかった。替えが効かないから私のところに仕事がきて、それらは「私個人の実績」になった。

この「私個人の実績」を以って転職市場に自分を売りに出してみると、評価してくれる会社が多かった。つまり、高年収の条件を出してくれる企業が多かったということ。

これは替えの効かない人材になることで、安く買い叩かれなくなったということを意味する。

客観的に見ても、
・30代前半
・施工経験者
・工程の専門性
・事業視点での調整能力
・大手ディベの業務経験者
この特徴を持つ人は日本にそういないはず。(むしろここまで出すと身バレしそう・・・)

その結果、私は新卒時代の年収の実に「4倍」の給与で転職することになった。

だからまずは、「この仕事ならあいつ」と言われる仕事を意図的につくり、「あなた個人の実績」にする”工夫”をすることが大切になるのだ。


一旦まとめ

少し長くなってきたので、今回もこの辺で終えたいと思います。

次の記事は、建設関係者の"自己投資"の具体的なやり方を解説していきます。私が実際に経験してきた内容なので、真似できる部分はぜひ真似してみてください。わりと人生が変わると思います。

もしよかったら、引き続きお付き合いをお願いします。

この記事もためになったなぁと思うところがあったら、”スキ”をお待ちしています。

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ビルキャリと言う施工管理のキャリア戦略専門メディアも運営しているので、ぜひ覗いてみてください。施工管理の転職に役立つ情報があります。

では、今回はこの辺で。

ご拝読ありがとうございました。

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