ニジュウ二株式会社 代表 安川尚宏さんshokujii始動の原動力とは?
今回はヒアリングの奥深さを教えてくれた対話をご紹介します。
ヒアリングの難しさに直面し、悩んだ結果方向性を修正しました。(前回の記事参照)
その結果「ヒアリングって深いな。難しいけど、もっとやってみたいな」と思えた回がありました。
今日はその対話を記事にしたいと思います❣️
◉安川さん 紹介
ニジュウ二株式会社 代表 安川尚宏さん。
ご本人の承諾を得て記事にさせていただきました。
安川さんはQWSでの活動初期から私の実証実験に参加してくださっていて、肩こりのケアや指導を受けてくれていた方です。
ゲームプランナーとしてお仕事人生をスタートされ、今は経営者でもある安川さん。
コワーキングスペースやオフィスでランチ会や食事会を簡単に開催できる、食事でつながる「shokujii」というサービスを展開されています。👇👇
https://note.com/shokujii/n/n22528dc9afc4
当初から私のコンディショニングに対して
「小泉のマッサージを、参加者同士でできたらいいよね。みんなで揉み合い、みたいな」
「もらった肩こり対策レポートを、みんなで共有したら面白そう」
などのアイデアをくださっていました。
安川さんがデスクワークの代表格とも言えるゲームエンジニアの仕事にどのように向き合い、今の事業に至ったのか、その変遷を伺いました。
◉ゼロイチの開発者として
「もともと僕はゲーム開発屋さんなんですよ」
初めて安川さんとお会いした時はこんな自己紹介で始まりました。
安川さんは慶應義塾大学理工学部を卒業され、ダーツライブというダーツを通じたエンターテイメントをうみだす会社でゲームプランナーとしてキャリアをスタートされました。
大学時代に就職活動をする中「ゼロいちを作ること」が好きな自分に気づけたんだそう。
プランナーという業務のかたわら、自分でもプログラミングしてiPhoneアプリを作ってみたい!という想いにかられ、独学で勉強を開始しました。
objective-C よりプログラミング言語の勉強を始められ、Java Scriptに移行。
コード勉強のためにエンジニアコミュニティやハッカソン(ハック+マラソンの造語:短時間でコードを書いて実装まで持っていくエンジニアとしてのトレーニング)へも積極的に参加されます。
その後Gatebox株式会社というハードウェアスタートアップに取締役としてジョインし、キャラクターを通じてコミュニケーションを促進するアプリ開発に従事されます。
◉コロナ禍で作った飲食店支援コミュニティ
そんな中コロナ禍に突入。
「会社が上手くいっていないタイミングだったこともあり、コロナで潰れてゆく飲食店に自己投影してしまい、お店の大口注文にならないかなと?思って始めたんですよ」
安川さんは店舗支援を目的として、LINEグループで、デリバリーをまとめて注文するシステムを立ち上げます。
shokujiiの原型である「ぼくデリ」の始まりでした。
DMM.makeAKIBAや3x3LabFutureなどのコワーキングスペースで使い続けてくれたことで、100人を超えるLINEグループが複数できるようになりました。
安川さんのランチサービスは飲食店の経営危機を救うと同時に、多くの人々の交流の場となり、コワーキングスペースでの新たな価値創造を産んできました。
◉コミュニティへのこだわり
キャリアスタートから終始一貫して、人との繋がりやコミュニケーションを創り続けてきた安川さん。
その原動力はどこにあったのでしょうか?
大学を卒業してから社会人になってパソコンに向かう時間が圧倒的に長くなり、リモートで会話も減りました。
「3日間喋らない時とかあって、『人として終わってる』って思うときもあった」
当時の安川さんは痛烈に人との繋がりや対話を求めていました。
どうしてこれだけ枯渇した想いに枯れられたのでしょうか?
あれやこれやと話しているうちに、話は学生時代に4年間所属されていたダイビングサークルの話になりました。
「本当に良いコミュニティだったんだよね。
海見て、潜って、酒飲んで、くっちゃべって。」
安川さんとの会話のテンポが大きく変わってきました。
「今思えばあれがあったから、こだわるんだと思う。
あー、確かにそうだなー。あれがルーツだったのかも。」
話しながら過去の記憶と今の事業が結びついたことに驚かれていました。
素敵なコミュニティへ想いを持ちながら、ダーツやキャラクターとの会話を通じて「孤独」に対峙して来られたことでどんな気づきがあったんでしょうか?
「スタバがサードプレイスって謳ってるけど、今ってそもそもファースト(家族・友人)やセカンド(職場)がない人もたくさんいるじゃない?
家族関係がうまくいってなかったり、一人暮らしだったり。
それに加えて今はリモートで職場との関係性も希薄でしょ。
それでサードだけあってもね。。笑」
私もshokujiiのイベント参加したことがあるのですが、あの場でご飯を食べていると不思議な身内感を感じます。
考えてみると「同じ釜(飲食店)の飯を自分達の場所で輪になって食う」ってファーストやセカンドならでは行為です。
面白いのは、一度そのイベントに参加すると、しばらく間が空いて再開した時にも「あー!あの時!今〇〇やられてるんですよね!」みたいに会話がスタートし、あの時の身内感がちゃんと残ってること。
これはサードプレイスではなかなか体験できません。
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◉インタビューを通して
自分が出たshokujiiイベントでの記憶と安川さんの思いが、お話を聞いていく中でぴったり重なっていきました。
大学での強いコミュニティでのつながりが、安川さんの原動力だったんですね。ご本人さえ気づいていなかったルーツがヒアリングの中で出てきた時、事業を通してその方を知れたとき、なんとも言えない感動を覚えます。
ヒアリングって奥深い。
当初から私のサービスをコミュニケーションツールとして生かしていくアイデアを出してくれていたのも安川さんんがずっと「孤立」と真剣に対峙してきたからだったのだと、このヒアリングを通じて改めて納得しました。
「理学療法士がオフィスに出向いてデスクワーカーの肩こり腰痛に向き合う」というのが私の目指している形でしたが、実証実験を重ねる中、デスクワーカーは想像以上にリモートワークが多く、オフィスに出向くことが少ない現状が見えてきました。
オフィスの外にも目を向けないと、デスクワーカーの本当の意味での辛さはわからないのかもしれません。
事業のユーザーターゲットやペインを考えるきっかけとなったとても有意義なヒアリングでした。
安川さん、お忙しい中本当にありがとうございました!
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