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父の体験記 その10 第九話 翡翠(かわせみ)川蝉の幼鳥は危険を感じると死んだふりをする。

翡翠と言う鳥について。

翡翠目(ひすいもく)カワセミ科の鳥。Alcedo atthis尾は短く嘴は鋭く長大。背・腰は美しいコバルト色。足極めて細く、頭には青い横斑。
耳の後ろに白斑がある脚は赤い。下面茶色かかった橙色。
巣は崖に横穴を掘って造る。
ショウビンソニドリとも言う。

雀位の艶(つや)のある綺麗(きれい)な鳥で有名です。
川や池に飛び込んで小魚を捉えて食べます。蛙や海老、昆虫なども捕食する。

時季は目に青葉山時鳥(やまほととぎす) 初鰹(はつがつお)の頃です。

若葉の香りが一杯で周囲にはメジロや鶯が心地よく囀(さえず)っていて身も心も安らぐ、すがすがしい日曜日の午後でした。

場所は生駒市 高山町ですぐ近くには 高雄川や池の有る所でした。
現在は造成されて白庭台と言う団地になっています。

当時は丘陵地帯で有って そこには細い山道が有り 切り立った高さ二メートル位の土手が有りました。

そこら辺を散歩していました所 その土手の中腹に拳が入る位の穴が有り
その穴からジュ ジュと声が出ていました。

私も始めて聞く声でなんだろう?多分モグラ?蛙?かな などと想像し若し蛇だったら怖いなと思いましたが正体を確かめようと少し気持ち悪い思いがしましたが思いきって手を突っ込んだ所なにか ふわっとした物が手に触れました。

これは蛇では無いと思い掴(つか)んで引き出し すぐ外へ放り投げました。

そこでやっと鳥だと判りました。巣立ち直前の雛鳥(ひなどり)でしてまだ飛べないので地面を這(は)う様にして走って逃げました。

追いかけて捕まえようとしたところ なんと雛鳥が急に止まって死んだふりをしました。
その死んだふりもすごく上手でした。

掴んでみた所、まるで骨の無い鳥の様に くにゃ くにやの状態になり
本当に感心しました。

その時 色と形で翡翠だと判りました。

その後この翡翠一匹を家に持ち帰り鶏のささ身などを餌として与えて
成鳥近くまで育てあげました。

ある日一度この鳥が逃げました。
すぐ捕まえた所以前と同じ様に死んだまねをしました。
成鳥近くなってもこの様なしぐさをするのか疑問に思えて居ります。

この様な事をするのは翡翠の習性なのか一度専門家の方に機会が有れば問うてみたい所です。

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