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ライター講座第5回:新規で仕事を得るために必要な3つのこと

第5回の講座のメインは、実際にどうやって仕事を獲得していくのかについて、特に自分メディアの力が育っていない人向けに、「書く」ことから一歩進んだ、より実践的なお話となりました。

スライドのタイトルは「新規仕事を得るために」。
画面に映し出された文字を見て真っ先に頭に浮かんだのは、自分は、これまでの講座やワークを通して「書く」ことを「仕事」として捉えることができていただろうか、という疑問。お金をいただく、仕事という感覚に、背筋がピンと伸びる思いでした。

企画は相手への「おみやげ」

今回いちばん印象に残ったのは、企画は相手への「おみやげ」という話。

「この企画で御社のお役に立てます!」と、相手がよろこびそうな企画を「おみやげ」として持っていく。私これだけ書けますという自分の実績ファイルを引っさげて乗り込むより、よっぽど相手にとって得になるというもの。イメージしやすい!

読者にわかりやすくという「書き方」だけでなく、仕事のやり方にも「思いやり」が必要なんですね。

金融IT系会社員25年、自分にとっての「仕事」という言葉の定義は「仕事とは机に向かって淡々とこなすこと」でした。そこに思いやりや心が入り込む余地はあまりなかったように思います。そのせいか、人とつながりたい、一緒に仕事をする人や、私の仕事の先にある人の喜ぶ顔が見たい、そんな思いの延長線上で、「書く」という仕事に舵を切り始めています。

自分の人生を楽しむ企画をする、それは必ずしも仕事につながらなくてもいい。そんな軽やかな気持ちで日々の生活を楽しむ、それが、「ライターになって幸せになる」ことにもつながってくるのではないか。江角さんのお話を伺いながらそう感じました。

「取りに行く」ライターになろう

さらに、江角さんの実体験に基づいたお話。依頼を待つだけのライターではなく、仕事を取りに行くライターになろう。読者・媒体・自分の3つの重なる部分を見つけて、三方良しのWIN・WIN・WINとなるような企画を見つけるためのヒントを教えてもらいました。

(1)仕事を依頼してもらうために必要な3つのこと

今回の講座のメインは、自分メディアの力がまだ弱い人に向けての仕事獲得の方法。このうち最も重要なのは「企画の立て方」。江角さんの辿ってきた道筋、そして、苦労してきた経験やエピソード満載の貴重な時間となりました。

以下、講座内容と気づきをまとめておきます。

1)公式サイトを持つ

これは1回目から言われ続けていること。自分は何が得意か、何が好きか、こんな仕事をしたいなど、発信し、ストックを作っておく。すなわち、URLひとつで紹介できる人になっておくこと。

2)紹介してもらう

仕事は人を介してやってくるから、この人と一緒に仕事をしたいなと思われる人になること。具体的には、締め切りを守る、コミュニケーションがスムーズなどビジネス上の基本ルールを守れる人。その中でも特に、URLひとつで紹介できる人はより一層、紹介してもらえる確率が上がるそう。たしかに。

3)企画提案する

ここが今回の講座のメイン。

まずは、自分が書きたい媒体(出版社)を見つけ、その媒体について調べることからスタート。ここで肝になるのが、自分の好きや興味と合っているかどうか。そのために「自己分析ノート」を使って、自分にできる、できない、やりたいことを把握しておきます。ここを無視してしまうと闇雲に仕事を探すことになってしまう、要注意!とは江角さんの経験から。

また、媒体を知ることも大切。どんなコンセプトの媒体か、読者が興味あることは何か。読者、媒体、自分の興味、この3つの重なる企画を見つけたら勝ち。分析する力も大事なライターの仕事なんですね。

そして、実際に企画を立ててみる段階。自分の興味があることをあげていくのがいいそう。今はまっていること、悩んでいることもあり。これは幅広く考えられそう。でも、その際意識しておきたいのが以下の4つ。
・独自性
・具体性
・実現可能か
・話題性があるか
 
独自性があるか、予算や時間などその企画は実現可能か、そして公開のタイミングや季節に合う内容かどうか。

これらを念頭において、テーマを掘り下げてみるのだか、そこで大事なのがどんな切り口にするか。

卒業生の「京都のつけもの」の記事をもとにわかりやすく解説していただきました。

例えば、切り口として考えられるのは、つけものの作り方、つけもの屋そのもの、日本各地のつけもの、世界にはどんなつけものがあるのか等々。
さらに、そこで何を伝えたいのか、例えば身体にいいとひと言でいっても、成分について、日本人の食生活、お店紹介など、「つけもの」と一言でいっても企画は無限大に出てきそう。

「あらかじめこういうものを作る、とゴールが設定された状態からスタートして、目的地のゴールに向かってプログラムを書く、そのために細分化してコーディングしていく」逆算の典型ともいれる会社員時代の仕事とは、正反対らしい。ある一点を起点として広い視点と発想力が試される、まるで別世界。でも楽しそう。

最後に、企画書を書くステップ。ボリュームはA4サイズ1枚におさまる程度で。細々書くのではなく要点を的確に。見る方に時間を取らせないという、これも思いやりのひとつ。
*****
講座でも頻繁に出てくる「思いやり」。ライターって常に人ありきの世界なんですね。
文字という無機質なものを、意図を持って文章のかたまりにしていくことでそこに感動や共感、気づきが生まれ、さらには人を動かしていく。
会社の中にいるプログラマーでは決してなしえないようなことが可能になるのがライターという仕事。世界を相手にできる、私はそんなスケールの大きさに魅かれたのかもしれません。

(2)いざ仕事をするとなったら心にとめておきたい2つのこと

企画が通った後の仕事のうち、江角さんが過去の経験をもとに特に取り上げたのが、「見積もり」と「交渉」の2つ。

撮影など、どこまで自分でするのかの確認は大事。そして、どのくらいのお金がほしいのか、ここもお金のブロックがあると安く受けすぎてしまうかも。交渉にしても同じ。交渉できないと自分が疲弊してしまうだけ。場合によっては「え、私がやるんですか?」ぐらいの切り返しがあってもいいとのこと。
こればっかりは実際にやっていないとわからないですが。何よりもまず、その段階までたどり着くのが先。

(3)インタビュー原稿リライトのフィードバック

江角さんからそれぞれの受講者へのリライト原稿のフィードバック。
リライトしたことでブラッシュアップされた他の受講者さんに比べて、自分の場合は逆に完全に迷走してしまいました。

媒体のターゲットを絞るところまではできた、でも、自分が伝えたいことは読者が興味のあるものなのか、その視点がすっかり抜け落ちたリライト。企画の意図をもう一度見直す必要がありますとのコメントをいただきました。

具体的には、江角さんへのインタビューで商業ライターについての質疑応答について書いたものの、それはいったい、今回ターゲットにした媒体、CHANTO WEBの読者の読みたいものなのか。答えは明らかにノー。
読者はライターになりたい訳じゃない。自分が伝えたかったのは、ライター塾の紹介ではなく、仕事と幸せの両立をかなえるために江角さんがどういう行動をとってきたのかということ。

実際に企画書を作成することで、企画の意図も原稿もより明確になってくると思います、とのアドバイスをいただきました。いい勉強になりました!

最後に

講座は残すところあと1回。
今回、企画の立て方について学んだので、あとは数をこなすこと。そして次回までの課題は企画書の提出。ついにここまで来た!

そして、今回新たに気づいたことがありました。私はライターという仕事について、「書いてみる」ができればいいかな、という枠の中にとどまっていた、と。
残りの3週間、もし、ライターになったとしたら、日常生活で何を考え、どんな行動をとるか、自分を「ライター化」してみよう。どのように意識がかわり、行動がかわるのか、講座最終回を目の前にして、今更ながらその新たな実験を試みているところです。



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