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2020/4/3 ありがとう太陽

毎晩9時には寝ている。昨夜も読書をしていたら、あとちょっとで読了の最高にいいところで寝落ちした。朝は毎日5時くらいに自然と起床。
老人かよ。

ただし、起床後はいつもビシバシとワークアウトしている。それについてはまたいつか書こう。今日はリカバリーの日でお休みにしたので、すぐに昨夜の続きを読み始めた。『極夜行』(角幡唯介)。太陽がまったく顔を見せない極夜の北極圏を探検し、何度も死にそうな目に遭いながらもついに帰還、4か月ぶりに太陽を拝む!というクライマックスのところだ。

そういえば、私も太陽のありがたみを身をもって体験したことがある。
2011年8月。インドネシアは東ヌサトゥンガラ州レンバタ島にある、伝統的にクジラを捕って暮らしているラマレラ村にひとりで行った帰りのことだった。

木造小型船でこのラマレラを発ち、フローレス島のララントゥカに向かった。早朝のまだ暗い時間だった。角幡さんの極夜はマイナス40度にもなる寒さだが、私の場合、南の島の夜明け前だからせいぜい20度前後だったろう。もちろんマイナスなんてつかない。それでも、風を切って闇を進む船で水しぶきを浴びながらじっとしていると、体の表面から体温がどんどん奪われていき、寒さ(と尿意)で震えが止まらなかった。しかし、目的地がどんどん近づき、アドナラ島のイレボレン山が朝日を浴びて堂々と輝きだす頃には、体が少しずつ温まり、服も乾いてきた。しかし、尿意は(略)

大げさなようだが、この時ほど太陽を崇拝の対象として意識したことはない。
ありがとう太陽!
ここまできたら、もう勘弁!と声を上げるほどの灼熱まではあっという間だ。
すごいな太陽!

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左のほうに見切れているイレボレン山とありがたきマタハリ様(マタハリ:インドネシア語で太陽のこと)

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ルーシーと名づけられた船。ラマレラではこの木造小型船のことを「ジョンソン」と呼ぶそうなので、いわばフルネームはルーシー・ジョンソンさんかしら。

***

ところでジャカルタは、ときどきまだ降雨はあるが、ほとんど乾季に入った。気が滅入りがちな外出自粛生活の中で、太陽が出ているというのはかなりうれしい要素である。空がどんよりじゃ、心も曇るよね。そして、ふと今年の元旦のことを思い出した。

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川じゃなくて道路です

そう、ジャカルタは大晦日から降り続く豪雨により2020年元旦には大洪水に見舞われ、丸一日家から出られない状態なんだった。幸いうちは5階にあるので浸水はないが、住まいの敷地入り口付近は膝上の深さまで水があったので、まったく出入りができない状況だった。結局翌日にはだいぶ水が引いて無事出入りできるようになったが、これがもし何日も続いていたら飲料水、食料が足りなくなってとても困っていたことだろう。

新年早々災難だったね、まあこれで今年は安泰。不運はしょっぱなに水で流したから、いい1年になるよきっと。

…そんなことを言ってたような気がする。
まあ、そうは問屋が卸さなかったよね。ずいぶんと容赦のない問屋さんがいたもんだ。つい3か月ちょっと前のことなのに、もう遠い昔みたい。

交通渋滞のなくなったジャカルタは大気汚染もだいぶ改善したらしい。
澄んだ空に今日もまた陽が沈む。

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