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ピアノと私

音楽の世界には絶対すすまない!
これが14歳のころに音楽教室をやめた理由のひとつだ。

幼いころからピアノとエレクトーンを習い小学校高学年のころにたまたま出たコンクールで最優秀賞をとった。人まえで弾くのも緊張して嫌なうえ、親も先生もかなりの熱量で私の将来は音大に決定されそうになってそのプレッシャーに耐えられなくなりやめたのだ。そこからは鍵盤にはまったく見向きもせず美大に進みそのあとは経理の仕事をした。

22歳のとき音楽が本当に好きなのかもう一度試してみたくなって昔教えて頂いた先生のもとに戻り音楽を再開したけど、まだまだ仕事のほうがずっと楽しかったし音楽が好きだーなんて心からは感じることはなかった。

結婚後、我が家の娘たちがまだ小さい頃地域に合唱団があって歌を歌いたくてはいったらなぜかピアノを任されることになりそこから私のピアノ人生が本格的にスタートした。

その後合唱団のピアノを弾いてることを知った友人が彼女の子どもにピアノを教えてほしいと言ってくれたことがきっかけでピアノ教室をすることになって、そこから20年近く生徒さんがずーっと途切れなくきてくださっていることは本当に不思議なことだなと思う。そしてやっぱりすごくありがたいことだな思う。

あいだでホテルでのリサイタルのお話やヴァイオリンなどの伴奏の仕事を頂いたりしていろんな経験ができたことも振り返ってみるととても幸せだなと思う。

ただ最初の10年くらいはピアノがどうしてもやりたい!という感じではなかったので色々なお話を頂く度にアタフタしていたし、なんでピアノなんだろう?という気持ちがいつも奥底にあって納得がいかないというか。
ある時にいつもいつも目の前にピアノが現れてくるこの現実にこの道が私の道なんだなと半分諦め 腹をくくった。

だけどそうして腹を決めてからのほうがずっとピアノの美しさや音楽の素晴らしさを心から感じられるようになった気がする。

私の奥に音楽の琴線みたいなものがあってそれがどんどんと年齢を重ねるごとに豊かに響くようになって今ではひとりでピアノを弾いてるときも生徒さんたちのピアノを聴いているときも幸せを感じることがたくさんあってこの道を歩んでくることができてよかったなと思う。

いつもなにか目に見えない大きな力が私にピアノに向き合うようにしてくれたけれど、そのおかげでピアノは私にとって自分自身を知るもの、人間を知るもの、宇宙を知るものと言ったら大袈裟かも。いや大袈裟ではないくらいたくさんの恩恵を私に与えてくれる存在になった。

だからなぜかはわからないけど
私はピアノ、音楽の道なのだ。

この道で感じたたくさんのことをすこしずつお伝えできたら嬉しいなと思います。





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