昔ながらの暮らしを守り、つなぎ、伝えていく場所@徳島県神山町
神山町は、IT企業が集まってる山間の先端の町、的なイメージがあるけど、全く真逆で、日本人の昔ながらの暮らしを20年以上守り、続けているご夫婦にもお会いしました。
山道を車で進むこと6~7分。木々が茂り、ここに人が住んでいるとは想像できない森の中、うっすらと建物が見えてきた。
道を進むと、突然現れる古民家と開けた空間。
何ここ?めっちゃ気持ちよくて、ステキな場所!!
昔ながらの古民家に、開けた気持ちのよい芝生のスペース。そこにはゲルもあったり、温冷浴ができるおしゃれなお風呂場もついていた。畑や果樹園もある。
ここに20年以上住み、薪から火をおこし、昔の日本人の生活を営んでいるのが、まりさんひささんご夫婦。とっってもステキな雰囲気の温かい方々でした。
まりさんひささんご夫婦は、
「地球のために生きていこう」
そんな想いで、自身の人生を使おう、と決められたそう。
この昔ながらの日本人の生活を日々積み重ねていったときに、たくさん感じられたことがあったという。
そのお話がとってもステキで心に染みた…!
・手間をかけた先に豊かさがある
この家にであったとき、昔ながらの日本人の生活の空間が偶然すべて残っていたんだ。残されたままの形で生活をしていったら、昔の日本人ってすごいなあって。
今も薪から火を焚いて、お風呂をわかしているし、薪ストーブも使ってるよ。
そうやって生活していくと、この間取りひとつとっても、夏場でも薪ストーブを使うことで湿気を飛ばす効果があったりとか、本当にひとつひとつの配置、行動が考えられているんだ。昔の日本人の叡智って本当にすごいよね。
それはもちろん手間がかかることでもある。でも、このひと手間が豊かさにつながってるんだよね。薪でわかしたお風呂のあたたかさは機械で沸かした風呂とは比べ物にならないし、パンも毎日手作りで作ったり、コーヒーも豆から淹れる。自分でやる、というこの手間をかけることで、生活が豊かになるんだよねぇ。
・自分の手でイメージして創り出せる力がある
この空間をみたとき、一番初めに創った人のことを想ったんだ。何もない森の中に、これを創ろうとイメージした先人がいたから、この空間があって…、これって本当にすごいことだよね。人の創造力って、本当にすごい…!と感動したんだ。
自分たち人間には、何もないところからイメージして創り出すことができる力がある。
特に「お金を外して生きる」ということを意識したときに、なんでも自分でやる必要が出てくる。それを意識したときに、目の前に資源が広がってることにも気づいたんだ。
今は、なんでもかんでも作られたものを買うということが当たり前になりすぎていて、自分の手で作る、ということがおろそかになってる気がしてるんだ。でも本当は自分たちで作り出せる力があるんだよね。
・身の回りに幸せが溢れている
この空間では、家族を超えて、いろんな人が集まって同じ釜の飯を食って、語り合って、笑い合って…という時間を過ごしてきたんだ。
そんな時間を重ねていた中、あるときふと、身の回りの当たり前の生活の中に、幸せってあるんだなぁって思ったんだよね。
何か外に探し求めるのではなくて、目の前のささいな時間の中に、幸せってたくさん溢れてることに気づいたんだ。視点をちょっと変えるだけで、幸せって溢れてるんだよね。
・血のつながりを超えた助け合い
ここでは、近くの住人同士で自分で作ったお野菜のおすそわけが当たり前。自分たちはすだちを作っているので、それをお礼として渡したりしてるよ。そうやって、お金ではなくて、自分にできることを与え合うことで、助け合いながら生活が回っているんだ。
また、血がつながっていなくても、気楽にごはん食べにおいで、ここに泊まっていったら、といろんな人と生活をしていたりした時期もあってね。家族のつながりを超えた、このあたたかいつながりも大事にしたいことだよね。
まりさん、ひささんたちは、昔ながらの日本人の生活を続けていく中で、これらのことを感じていき、伝えていく必要があると思われたそうだ。
なにより、昔ながらの日本人の生活は、「地球にやさしい」。
だからこそ、これらのことを気づかせてくれたこの場所を、守って、伝えて、つないでいきたい、という想いがあるそうだ。
この日は、私も宿泊させていただき、ゆっくりとお話を伺いながら、その生活を一部味わわせてもらった。
まずはお風呂。薪から焚いたお風呂なんだけど、とにかくおしゃれ!!
しかも驚きなのが、薪風呂に入ったあとに、天然の湧き水が流れ込む水風呂にも入れるという驚きのお風呂。
しかも、目の前には、大自然が広がっていて、感動…!大自然の中で温冷浴ができるというこのぜいたくさ。
こちらは薪ストーブ。夏場でもあえて薪を燃やして、家の湿気飛ばしに活用しつつ、お湯をわかすことにも利用している。
ちなみに神山町では杉林の間伐できていない問題があり、積極的に地元の杉を活用する動きがあり、まりさんひささんも家の周りの木々を間伐して薪として消費しているそうだ。
そして、夕食は、地元の友達からおすそわけでいただいてオーガニック野菜料理。めっちゃおいしい!!そして土釜で炊いたお米がまたおいしい!!豊かすぎる~~!
ちなみに朝食は、ひささんの手作りパン。こちらもめちゃくちゃおいしい~~!!
また、トイレも、水を無駄にしたり、排泄物をゴミしている現状にもやもやを感じたことで、今はバイオトイレを導入。これにより、排泄物もゴミにするのではなく、微生物で分解し循環させて地球に還していくことにつなげているそうだ。トイレまでのこだわりがステキすぎる…!
そんなここの場所の名前は「楽音楽日」
この場所を守り、伝え、つないでいくためにも、今後泊まって経験してもらえるように、現在準備中とのこと。また、長期滞在でのお手伝いも大募集だそうです。
今はちょいちょい音楽イベントもやってるみたい。
もしも、宿泊体験したい方がいらっしゃったら、ぜひご連絡ください。
まりさんひささんにおつなぎします~^^