見出し画像

教員組織にキャリアコンサルティングを

 平日は看護学大学教員、平日の隙間と休日はキャリアコンサルタントとしての自己研鑽をぼちぼちゆるりとやっているsumidaです。

 こんなライフスタイルになったのはキャリアコンサルタント養成講座に通い始めてからなのですが、大学教員とキャリコンの相乗効果も感じています。
 大学教員の仕事をキャリコンの視座で見ると、仕事そのものよりも、教員が属している組織に注目している自分がいます。
 看護一辺倒で生きてきた私が属してきた組織は、看護組織と教員組織です。しかし、キャリコン養成講座受講以降、今まで接点のなかった業界の組織を知ることとなり、人財育成のためだけの部署があったり、キャリコンの資格取得を組織が支援していたりと、私が属してきた組織にはないものばかりでとても新鮮でした。

 看護組織はまだ現任教育計画や目標管理があり、専任ではありませんが人財育成を担う役職もありました。
 しかし、教員組織には皆無です。
 教育者である教員の教育や育成という概念はFD(ファカルティ・ディベロップメント)のみで、キャリア形成、キャリア支援の概念はありません。
 能力としてもキャリアとしても、教員を育成・支援する専門部署や担当者は存在しないのです。
 大学教員は研究者でもあり、研究業績で評価されるので、能力開発や外的キャリアは自己責任、自助努力とされるのかもしれませんが、だからこそ、組織の人材育成ビジョンがないと、同じ組織に属しながら方向性はバラバラ、個々が我を通し、アグレッシブな関係性があちこちでできてしまいます。
 残念ながら、私が属している組織でも離職の増加、教育・研究活動の停滞、職務満足度の低下がみられます。教員たちはいつもどこかに不満や不安を抱き、強みを存分に活かしきれていないように感じます。

 組織に属するメリットは、個人では難しいパフォーマンスを可能にしたり、リスクを回避できたり…それが一定のアウトカムとなって社会に還元されていくのだと思っていますが、その組織を構成している教員が自分らしいキャリアを描けない、強みを発揮できなければ、アウトカム以前の話になります。
 やはり組織は人なのです。組織構成員のキャリアが組織の心臓。心臓がしっかり動かないと全身の血液循環が滞るのと同じで、一人ひとりのキャリアが生き生きしていないと組織内の循環、パフォーマンス、アウトカムは生まれないと思っています。

 組織の人材育成ビジョンの明確化、個人のキャリアニーズとの調和が組織内キャリア形成の理想とするならば、教員組織は更地です。
 そこに組織と個人のキャリアニーズの調和過程を築き上げていくために、キャリアコンサルティングを導入する、というのが、教員でありキャリアコンサルタントである私のミッションです。
 更地の現状を目の当たりにし途方に暮れることもありますが、“ローマは一日にして成らず”。できることからコツコツと、そのプロセスを大切にし、必ずミッションを果たします。

 
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?