就労移行支援は役に立たない?
利用者→「社会人経験はそれなりにあるから、PCスキルをつけて再出発したい」
支援所→「会社で働けるように、まずは挨拶から」
就労移行支援を利用する側と支援する側で、よく?こういうギャップがあります。
まあ「よくあります」といっても、僕がnoteやTwitterの投稿を見てきて感じた印象です。
こう感じている人もいると思います。
先に結論言うと
「そんなことない」
になります。
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確かにスキルは必要です。募集要項や入社試験にもあったりします。ですが、実際の業務においてはスキルや生産性の有無はそれほど評価されません。
では何が一番会社から求められるのか?
「体力」
やはりこれです。
定められた勤務時間にできるだけ休まず安定して出勤し
徐々に勤務時間を伸ばし、ゆくゆくは週5日8時間勤務に
これに尽きます。ほかの会社は分かりませんが、だいたいどこもそうな気がします。
ノルマは「最低限これだけの件数はやってね」というのはあるけど、特に設定はありません。未達でも特に怒られることはない。
一方、いくら仕事が出来ても、休みがちになり週20時間を下回るようなことになると「次の契約更新はちょっと…」という話が出てくる。
障害者雇用においてはたぶん、生産効率は限りなく低く見込んでいて、突発的に人員が減るようなことを嫌っているように感じます。
とりあえず居てさえしてくれれば、予定の件数・生産数が見込める
こういう想定だと思います。
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ここで僕の支援所の事例を1つ。
人と全くコミュニケーションが取れないけど、とにかく毎日休まず通所し、黙々と軽作業に励んでいた利用者がいました。
担当の職員が「面接では勝ち目がないから、実習で働きぶりを見てもらおう」ということで、企業に職場実習を持ちかけて無事就職できた、という話を聞いたんですね。
たとえ人との会話が難しくても、安定して毎日出勤できる見込みがあれば、こうして紹介や斡旋などで道がつかめるんだなと知りました。
一方で、週2,3日しか来れていないとなると、なかなか実習などにはかけあってもらえないんですよね。「せめて週4日は来れないと支援所としてはなかなか送り出せない」と。
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僕も実際「これって意味あるんかな、何やってるんやろ」と思うこともありました。
けどやっぱり今となっては、行ってよかったなと思っています。色んな人が集まる場所に、朝ちゃんと起きて服着替えて出向くというのは、良い練習になります。
上で紹介したケースのように、別ルートでチャンスを掴める可能性もある。
その体力をつける場が就労移行支援施設であると、僕は思っています。
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