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母の生きる場所を探してみよう〜ホームホスピスへの引っ越し

半年前、在宅から難病の専門施設に入居した母
その時は、ここで母は最後を迎えるんだと思っていた。

しかし、7月に流行病のクラスターが施設で起こり、
面会が遮断、その後も復活したものの
家族のみ、週1回までのルールが月1回までに変わった。

入居時に何度も確認した幼児の面会も禁止になった。

このルールがいつまでなのかは誰にも分からない。
ただ、母に残された時間は、声をだして人と話せる時間は
もう長くない。

数ヶ月間、たくさんの施設を見学して
たくさん悩んで、ホームホスピスに引っ越すことを決めた。

黄色いカーテンがついた部屋に
母のリクエストのピンクの布団カバーをかけた
柔らかい部屋に母は入居した。

すごくホッとした顔に見えた。

ベッドの横に出窓があり
そこから母を覗くと、その奥にはダイニングテーブルとカウンターキッチンが見える。

まるで家のよう。奥から包丁でトントン料理を作る音が聞こえてきそうだ。

ホスピスの引っ越しを姉はよく思っていない。
専門施設で十分だと思っていたし、私の家より自分の家に近くなることが
嫌なのかなとも感じる。

引っ越しに付き合ってくれたが、私はどこかで姉の機嫌を取ろうとしたり、良さをアピールしたりしたかった。

ここでよかったね。と言って欲しかった。

全員が納得する形なんて存在しない。
私が決めたことに、反対しないでくれただけで、感謝しよう。

100%喜んでくれないからって
切なくなるのはやめよう。

私はきっと誰よりも
母の生きる場所について真剣に考えてきた。

そして昨日、母が入居してすごくすごくホッとした。

これでいい。
迷いなし。

自分以外の誰かが、残りの時間を生きる場所。
自分以外の誰かの、終の住処。

これを〝自分が決める〟というのは想像以上に重い。

たとえ親でも、すごくすごく難しい。

でも、納得いく場所を見つけられて、大きな反対もされなかったこと
夫や友人が、たくさん相談に乗ってくれたことに

今は感謝の思いで溢れている。

すこしでも穏やかな時間を過ごせますように。

私を支えて導いてくれたみんな、本当にありがとう。




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