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母の生きる場所を欲張って探してみよう〜本人の意見

「施設のことずっと悩んでるんだよね」

施設からの外出が許された母に、私の胸の内を伝えた。

私はホスピスに入れたい、母を人として扱ってくれると思うから。
姉は今のままでいい、このままで過不足なく、問題ないから。
叔父叔母は近所がいいという、もっと面会に行けるから。

それぞれの思いがあることも伝えた。
できるだけわかりやすく。できるだけゆっくり。

すると母はニヤッと笑ってこう答えた。

「かんがえる、だけ、む、、、、だ!!!(笑)」


母はこういう人間だ。

「考えても答えが出ないことは、考えるな。」

「難しいことほど、簡単に決めなさい。」

昔からこんなふうに私に言い放つ人だった。

そっか、私は考えすぎていたのかもしれない。

今の施設だとなんか嫌。
見に行ったホスピスは、なんかいい。

そのくらいで決めてもいいのかもしれない。


母はもう一言付け加えた。

「よっこが一番、おかあさんのこと、考えてる。
それが、こ、た、え。」


頭にくることも許せないことも多いけど
やはり彼女は偉大だ。


だからこそ、彼女を最後まで人として
見てくれる人たちの中におきたい。

よし、もう私の心は決まりかけている。


おまけ
なんとか理由をつけて外出許可をとった日
子どもたちとお散歩をした。

車椅子とベビーカー。
なんだかとってもシュールなお散歩だった。

でもきっとこの日の空を、
私はいつか、ふっと思い出すだろう。





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