琉球(りゅうきゅう)国の始まり(その1 全4回)
今日はね、日本の一番南にある沖縄に伝わるお話だよ。
沖縄県は昔昔、琉球と呼ばれていたんだよ。
さあ、島尻郡佐敷町に伝わるお話だよ。
ポンと昔。昔、佐敷に一人の若者がいたんだよ。沖縄の言葉で若者のことを「ニーセー」と言ったよ。
ニーせーのうちは大変貧乏で、お父さんもお母さんも亡くなってしまったんだ。最後にお母さんからかたみとしてもらったものが藁しんぶ一本きりだったんだ。藁しんぶとは藁のことさ。
にーせーはその藁しんぶを持って旅に出てみたんだよ。
ちょうどお箸を作っているお店の前を通りかかった時のことだったよ。
「あら、そちらのニーセーさん、その藁しんぶを譲ってくださいな。このお箸の束を縛るのにちょうどいいですから」
「はい、でもこれは母のかたみですからただでは、、、」
そうにーせーが口ごもっているとね、
「それはそうですね、それではこのお箸の束と交換ではどうでしょう」
ということになって取り換えっこをしたんだ。
ニーセーはそのお箸の束を手に持って旅を続けたのさ。
「おお、良い物をお持ちじゃ。その箸を譲ってはもらえぬか。味噌を取るのに困っておったのじゃ」
「はい、でもこれは元はと言えば母のかたみでして、、、」
「そうか、それではどうじゃ。この味噌と取り換えては、、、」
今日はここまで、読んでくれてありがとう!続きは明日のお楽しみ!お休み、ポン!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?