お月さまのニックネーム その1(全2回)



名月を 取ってくれろと 鳴く子かな 小林一茶(こばやしいっさ)

あのお空にあるまん丸のお月さま、きれいだから取ってよ。欲しいから取ってちょうだい。と泣きながらおねだりしてくる子

この俳句はね。1763年生まれのとっても有名な小林一茶の作品さ。そうさ、一茶へね、江戸時代の人でたくさんのすてきな俳句を残しているんだよ。

ポンと昔。中秋の名月と言われているのが旧暦の8月15日の月のこと。今の9月のことさ。この頃は暑くもないし寒くもなくて、空気はよく澄んでいるから一年中でも月が一番きれいに美しく見える時期なんだって。

名月を 取ってくれろと 鳴く子かな

一茶のこの句にもあるように、ちいちゃな子供が欲しがっているように、まん丸のきれいなお月さまが手を伸ばせばすぐに届きそうなくらいに近くに見えていたんだね。この名月は子供でも持てるくらいの大きさだったのかなぁ。「出た出た月が、盆のような月が」っていう歌があるんだけれど。お盆くらいの大きさに見えていたのかもしれないね。お月さまの大きさってどのくらいだと思う? まん丸のお月さまの大きさってね、本当は片手に5円玉を持って腕を伸ばした時の5円玉の穴と同じくらいの大きさだって、ちっちゃいよね。ビックリだよね。直径5ミリくらいの5円玉の穴の中にちょうどお月さまがすっぽりと入っちゃうって訳さ。じゃぁ、なんであんなに大きく見えるかって? それはね、真っ黒な夜空に明るく輝いているからね。人間の目が間違っちゃって大きく見えちゃうんだって。お月さまってすっごく大きいものだと知っているから、つい大きく見えてきちゃうんだって。こういうのを錯覚(さっかく)と呼んでいるんだよ。面白いよね。試しにね、逆立ちしてお月さまを見ていると、それほど大きくは見えないんだって。やってみると面白いよ。

今日は、ここまで。
読んでくれて、ありがとう。
明日は、お月さまの、いろんな呼び方を紹介するよ。
お休み、ポン!

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