キジも鳴かずば撃たれざらまし その1(全4回)



今日はね、諺(ことわざ)の、キジも鳴かずば撃たれざらまし、が出来たお話しだよ。
余計なことを言うと災い、悪いことが起きちゃうことね。

ポンと昔。昔々のことじゃよ。
京都に都があったころのことじゃ。その頃の大阪を流れていた淀川は大きくてな、川幅が4キロもあってなぁ、流れも急だったんじゃ。川の中ほどにはいくつかの中州があったんじゃと。中州ってのは、葦(あし)がいっぱい生えている砂地のことじゃよ。そこにはな、川岸から中州へと、また中州から中州へと簡単な橋が架けてあったんじゃ。向こう岸へ渡りたいもんはな、その橋を渡って行ったんじゃ。けどな、簡単な橋じゃからな、ちょっとの大雨でもその橋はすぐに流れ落ちてしまったんじゃ。そのたんびに向こうへ行きたいもんはな、船に船賃出して渡るしかなかったんじゃ。

京都に都が移って間もなくのことじゃよ。朝廷(ちょうてい)から橋奉行の百済介(くだらのすけ)にもっと頑丈な橋を作れと言う命令がきたんじゃよ。百済介はな、橋大工の名人たちを日本中から呼び集めたんじゃ。けどなぁ、名人たちが一生懸命やってもな、川の流れが激しくてな、橋を架けるための杭(くい)を建てることができなかったんじゃ。橋大工たちは、ほとほと困ってしまってな、近くの神社の神さまにお祈りにいったんじゃと。

今日はここまで、また明日。ポン!

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