秀吉の仕返し その2(全3回)

昨日の続きだよ、ポン!

光明寺(こうみょうじ)の先輩小僧の仁王(におう)は、秀吉(ひでよし)と生まれが同じ中村の者で、体は大きく力は大人と同じくらいもありました。その力は、もっぱら新しく入ってきた小さな秀吉への折檻(せっかん)に使われました。いいがかりをつけては、さんざんにぶったり蹴ったりしたのです。庭のお掃除の後に葉っぱが落ちているとかそんなことでも、ぶったりしたのです。
秀吉は何度死にそうになったかしれないのでした。体中いつもあざだらけでした。この恐ろしかったこと、辛かったことは大人になってからも忘れることができなかったのです。

しばらくして、秀吉はお寺を建て、あちらこちら旅をしながら織田信長の家来になっていき、仁王はお寺を出て生まれた在所、秀吉と同じ尾張の中村に帰ってお百姓さんになったのです。

このころから40何年か後のことです。秀吉はなんとなんと関白太政大臣(かんぱくだじょうだいじん)豊臣秀吉となっていました。

その日は小田原で北条氏(ほうじょうし)を家来にした後の帰り道のことです。秀吉は日本中の大名と日本中の大軍団を率いていたのです。自分の生まれた在所のそばに来たものですから、村人たちを集めてパーティーを開いて皆にごちそうを振舞いました。

今日はここまで、また明日。

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