日蓮上人(にちれんしょうにん)と角(つの)なしサザエ その1(全2回)



サザエという貝を食べたことがある?ごろんとした貝のさざえは、よくさざえのつぼ焼きとかにして食べられているんだよね。このサザエには、角(つの)があるんだ。角は海の中で潮に流されないようにどこかに掴まっているためのものなんだって。だからね、おだやかな海にいるサザエには角がないものも多いんだって。今日はね、神奈川県の横須賀あたりの海にいるそんなサザエたちのお話しさ。

ポンと昔。今からちょうど800年くらい前のことさ。平安時代のおしまいの頃だよ。
蓮長(れんちょう)というお坊さんはね、安房の国、千葉県の鴨川(かもがわ)の漁師さんのところに生まれた人さ。12歳の時からお寺で仏教やいろんな学問のお勉強をしていたんだ。蓮長はお勉強が大好きでね、特に仏教のことをもっとたくさん知りたいと思ったんだ。そこで、「日本一の知恵者にしてください」と山の中にある清澄寺(せいちょうじ)で願(がん)をかけて旅に出たんだ。そうして、日本じゅうあちこちで、いろんな仏教の教えを20年もの間勉強してまわったんだよ。そしたら、蓮長はね、すばらしい教えが分かったのさ。

建長(けんちょう)5年、1253年4月。蓮長は願をかけていた山の中の清澄寺(せいちょうじ)にお礼の報告に行ったんだ。そして、昇る朝日に向かってね、「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう)と手を合わせて10回唱えたよ。新しい日蓮宗(にちれんしゅう)を作ることを朝日に誓ったのさ。その時、名前を蓮長から日蓮(にちれん)に変えたんだ。そしてね、日蓮上人は慕って来る者たちと一緒に鎌倉に向かうことにしたんだ。

今日はここまで。読んでくれてありがとう。
日蓮の活躍は、明日のお楽しみにね。
お休み、ポン!

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