蜂須賀小六(はちすかころく)と秀吉(ひでよし)の墨俣(すのまた)の一夜城(いちやじょう)その2、全4回

ポン!昨日の続きだよ。

墨俣(すのまた)に城を作る。
そうさ、川向こうは敵地、美濃(みの)じゃ。工事に入れば、そりゃあ矢だの玉だの降ってくるわいのぉ。実はの、もう先輩の佐久間信盛(さくまのぶもり)どの、柴田勝家(しばたかついえ)どのが職人5千人と守り3千の兵でやったのだけれど、失敗に終わっておるんじゃ。美濃のすぐ向こうには、出城の大垣城(おおがきじょう)があるんでの。そこから蹴散らしにくるんじゃよ。」
「うむうむ。その工事やら美濃勢の追っ払いをワシの手下どもを使おうと言うんじゃのぉ。だが、サルよ。お前とて織田さまの家来なんじゃから。柴田どのたちのように家来をつけてもらえるだろうに、何でわしのところへ来るんじゃの。」
「そこよ、小六どの。よう聞いてくだされた。三度目はわしが行くのじゃよ。だがのぉ、わしは新参もの(しんざんんもの)よ。それに、身分が低い百姓ものよ。織田の殿さまにお仕えして10年くらいにはなるがの。古くからの身分の高い先輩がたくさんおるわい。いくら良い作戦を立ててものぉ、ワシが言うては、{なになに、あのサルなんぞには指図されとうないわい}と言われるじゃろうて。わしも身分の高い先輩達には言いにくいわいのぉ。せっかくの良い策を何とか一発で成功させるためには、小六どのの仲間をお借りしての、{サルめの指図通りに動け}と言ってもらいたいのじゃ。ここがのぉ、この作戦を叶えるのに一番大事なとこじゃ。」

今日はここまで、また明日。ポン!

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