アジの干物 宇宙へ 宇宙日本食
アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」は、ISSとドッキングし日本時間の1日午前2時半ごろ、2人の乗組員はステーションに移動した。民間企業が開発した有人宇宙船が、ISSにドッキングするのは初めてだ。
日本では、アジの干物が地球を飛び出し、宇宙へはばたく。
愛媛県の食品メーカー・キシモトが開発した干物「スペースまるとっとアジ 燻製しお味」が、
宇宙日本食として宇宙航空研究開発機構(JAXA)から認証された。
宇宙日本食にはこれまで、やきとり、羊羹、柿の種、切り餅、ガムなど認証されているが、
干物の認証は日本初だという。
宇宙日本食の認証を受けた「スペースまるとっとアジ」は今後、国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士に提供されることになるという。
「まるとっと」は、約10年前に魚を丸ごと食べたいと望むお年寄り向けに開発された、骨まで食べられる無添加・塩分控えめの商品で現在は、子供から高齢者まで幅広い世代で愛されている。
ではなぜ今回、「スペースまるとっとアジ」が宇宙日本食に認証されたのか?
一般的な干物と比べて、どんなところが優れているのか?
そもそも宇宙日本食とは?
宇宙日本食とは、食品メーカーが提案する食品をJAXAが制定している宇宙日本食認証基準と照らし、宇宙食としての基準を満たしている場合に宇宙日本食として認証するもので、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在を予定している日本の宇宙飛行士に、日本食の味を楽しんでもらい、精神的ストレスを和らげ、仕事の効率の維持、向上につながることを目的として開発されたものです。
認証の決め手はカルシウムが豊富なこと
スペースまるとっとアジ、一般的な干物より優れている点は?
長期保存できる、衛生面が完璧、魚の生臭さが少ない、魚骨も全部食べられる、余分な水分がない、食べやすいなどが特徴です。
特にどんな点が評価されたか。
無重力空間における人間は地上で生活するのに比べて、約10倍のカルシウムが消費される為、補給が必要です。
スペースまるとっとは、魚の骨も全部食べられるのでカルシウムをたっぷり摂取できます。その点が評価されたと考えます。
5年位前に、愛媛県松山市の工業高校生からテレビ取材を受けた時に将来の夢を聞かれたので、宇宙へまるとっとを運びたいと答えると、高校生はそのことをJAXAに相談しました。
その後、JAXAから連絡がありました。
宇宙空間は、無重力状態になるのですが、無重力は骨にとって良い状態とはいえません。
長い間、宇宙で過ごしていると、骨が弱くなるといわれています。
普通の魚と比べてカルシウムが数十倍摂取出来る「まるとっと」を宇宙食研究として進めてもらえないか?とJAXAから言われました。
それからJAXAに通いながら、JAXAの基準をクリアするために改良を重ね、5年かけてようやく宇宙食として認められることになりました。
常温(22℃)で、長期1.5年以上衛生的に保存可能にすることと衛生管理です。宇宙では、ホットプレートで温めて食べる宇宙飛行士は干物をどうやって食べるのか。
レンジも冷蔵庫もありません。ISSにホットプレートが搭載されているので、ホットプレートで温めて食べることができます。
そのまま食べることもできますが、温めたほうがおいしいです。
スペースまるとっとアジ(燻製しお味)を食べて日本食の味を楽しんでいただき、精神的にストレスを和らげ仕事の効率の維持と向上に繋げていただき、国際宇宙ステーションでの長期滞在業務のお役に立てればと願うばかりです。
スペースまるとっとアジは、我々も食べることはできるのか。
現在、販売できるよう準備を進めているみたいです。
アジの干物が、地球を飛び立ち約10倍のカルシウムが消費される宇宙で、日本人の宇宙飛行士の空腹と心を満たす。近いうちに叶いそうだ。
いってらっしゃい!
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