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シャボン玉 3
タケトが軽自動車に乗ってやってきた。
優秀なタケトは、こたつ布団が入る大きなビニール袋を持ってきていた。
濡れたままのこたつ布団を器用に畳んで、ビニール袋で包んでしまうと、そのままサンタクロースみたいに肩に担いで車にのせてくれた。
まだ洗っていない、もう一方のこたつ布団がある。橘が、それも一緒に車内へ押し込もうとしたけれど、タケトの小さな軽自動車には積み込むことができなかった。
タケトは、ゆっくりとリアゲートを下げると、やさしく押さえつけるようにして、静かにトランクを閉めた。
なにはともあれ、これで浴室を明け渡すことができたのだ。
積み込まれたこたつ布団を見て、私は心の底からほっとしていた。
(つづく)
「シャボン玉」は「金魚」「ティーソーダ」「ハムスター」「布団」のつづきのおはなしです。
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