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布団 6

 こたつ布団が洗濯機に収まった時点で、こういった事態を予測すべきだった。

 洗濯槽は、こたつ布団で、いっぱいだった。
 他のものが入り込む隙間なんてなかった。
 その上に粉洗剤をふりかけ、ふたをし、スイッチを入れたのだ。

 自動で注ぎ込まれる水は、ほとんどすべてが外へあふれ出し、まわりだした洗濯機は、ものすごい轟音を立てて、右へ左へ、ずり動き、のたうちまわり、熱くなったアイロンみたいなニオイをさせながら、最後にひとつ、がったん、と大きく頷いて、停止した。

「ダメだね」
 再び、橘は、そういって、今度はあっさりと諦めた。

(つづく)


「布団」は「金魚」「ティーソーダ」「ハムスター」のつづきのおはなしです。


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