布団 7
洗濯機が洗濯を拒否したからといって、水に濡れ、粉洗剤にまみれたこたつ布団をそのままにしておくわけにはいかない。
しかし、すでに洗濯から興味を失ってしまった橘に、これ以上の協力を求めることは不可能だった。
いや、橘に協力を求めるというのは間違っている。
そもそも、こたつ布団を洗おうといいだしたのは橘なのだ。
私の方が橘に協力していたはずなのに。
ユニットバスの浴槽で、私は、ひとり。
泡にまみれている。
(つづく)
「布団」は「金魚」「ティーソーダ」「ハムスター」のつづきのおはなしです。
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