シャボン玉 4
何事も、はじめてしまったからには、かたをつけなければならない。
「ならば、お金でかたをつけましょう」
橘が百円玉貯金箱を取り出した。
その貯金箱は、どこから持ってきたのか。
由里さんの部屋から持ち出したのではあるまいか。
おかまいなしに、橘はコイン投入口に百円玉を入れていく。
そもそも、最初からコインランドリーで洗えばよかったのだ。
完全に乾かすには、どれくらいの時間が必要なのだろう。
わからないまま、こたつ布団が乾くまで、三人でパセリの話をした。
(つづく)
「シャボン玉」は「金魚」「ティーソーダ」「ハムスター」「布団」のつづきのおはなしです。
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