見出し画像

なぜ加工品をはじめたのかーその2ー

なぜ加工品をはじめたのかーその1ー
に続きーその2ーです

その1は基本のおさらい的な「フードロスをどう捉えるか」について書きました

その2では僕はどんな農業(農家)を応援したいか、というエゴ的要素満載な内容になっています、長いです

3.生産者と飲食店のOEM

野菜のなくなる端境期や、
近年の予測できない気候変動(日照りからの大雨からの台風、みたいなやつ)
を目の当たりにし、

野菜が収穫できない時に生産者が売れる物を創りたい
というのが加工品作りの最初のきっかけです

あるときはあるけど、ないときはない

まあそらそーやろな、って感じですが、この一文が全てだと思っていて、
僕が加工品をはじめた理由もこの一文に集約されるのですが、
それを紐解いてダラダラと書いているのが今コレです

飲食店と食材の卸業をやっていて苦しかったのは、
10件ほどの農家さんと付き合いがあったとしても、僕が集荷で廻れる範囲になるので、どの農家さんも同じタイミングで同じ種類の野菜が大量に収穫される場合があること

そうなると飲食店では使いきれなかったり、流通に乗せれない又は値崩れしてしまうということが起こります

こういったA品でさえもモノが溢れる場合がまず1つ

そして台風などの自然災害が事前に予測できる場合が2つ目

この場合、採れるだけ採ってしまって加工に回し、ある程度諦めるという判断ができれば、
災害への対策・片付けという前後のコストを、金銭的にも労働的にも精神的にも減らせるのではと思っています

まあこれは僕がどれだけ受け入れれるかというキャパの問題と、
小規模農家ならではの、個人宅配という超絶悩ましい問題も孕んでいるので
それぞれの考え方とすり合わせながら答えを出していけばいいと思ってますが、

基本的にこの2つの場合、とにかく優先して、生産者と話し合いながら加工を請け負い、共に商品を創ります

自社商品として、食材持込のOEMという形をとってもいいし、
食材は買取してYOKACHORO FOOD BASEの商品にしてもいい
(8月中で、3件の農家さんのOEMトマト缶を合計500缶ほど製造しました)

これを続けていくことで、加工品を念頭において作付け計画を立ててもらえるようになれば、
作付け段階である程度の収益見込みを立てれるので、

よりコンパクトな作付け(10で足りると思うけど、一応12植えとこうかみたいなのを無くせる)が可能になるし、

もしそうなれば、一つ一つにより手間をかけれて秀品率が上がるかもしれない
もしくはプラス2にかけていた時間で本を読んだり音楽聴いたり、自分の時間を作れるかもしれない

まあ何が言いたいかというと、

加工品は小規模農家の《保険》になり得るのではないか、という事

小規模農家にとって、これまで製造ロットが大きすぎることで諦めていた加工品製造を、小ロットから小回りのきく対応をすることができる加工所があれば可能性無限大

それが各地域に、農家5〜6件につき1加工所くらいの班分け感覚であったらめちゃくちゃ良くないか?と本気で思っています

さらにさらに、

このコロナ渦において、テイクアウトを強化したり、席数を減らしたり、
なかなかの激しい変化を求められてる飲食店のオリジナル物販商品として、
缶詰製造をレシピ開発から請け負うことも考えていて、

溢れた食材×飲食店のレシピ=農家と飲食店の商品

という、誰でも思いつくけど実現させるとなると意外とハードルの多いこの掛け合わせを、小規模加工所は可能にしてくれます

「あの店のパスタソースが、あの農家さんの食材で!?」
なんてことになったり、

クラファンなんかしなくても、加工品を買えば、大好きなお店を残す助けになるかもしれません

まあ、まっだまだこれからの話なんですけど

画像1

まじで長くなってるけど、続けます

4.小規模農家の経営を支えとなり、日本の農業の底上げを目指す

えらい大層な話やな、と言われること請け合いですが、

小ロットで小回りのきく製造体系は、畑でいうと2、3反~1町程度(米、豆以外で)の小規模農家にとって大きな支えになると本気で思っています


農家の高齢化・後継者不足による耕作放棄地の増大に伴い、農地を集約し、大規模農業に転換する流れがありますが、
日本の農地面積・農業生産額の4割を占める「中山間地」ではなかなかそうはいきません

活動拠点となる淡路島や今も縁のある丹波地域も、ほとんどがこの中山間地となり、1反に満たない小さな畑を点々と管理するケースが多く見られます

そういった畑と無理なく付き合い、ビジネスとして続けていくには、作物のあらゆるステージ(間引き~花、種まで)、あらゆる状態(傷やサイズ)の作物を商品に変えていくことが求められますが、
畑仕事が忙しい時こそ、加工仕事が生まれるものなので、その場を凌ぐことで精一杯というのが現実です

農繁期に裏では並行して商品化が進み、端境期には商品が手元にある
という仕組みを、小ロットから実現できるのがこの製造体系の強みです

もしこのコロナの影響で職を失った料理人とか出てくるなら、
みんな小規模加工所したらいいのにとすら思う

繰り返しになるけど、
同じ作付け面積で多くの収益を上げることができ、販売・流通部分の負担を減らせることができれば、より作物へ手間暇をかけることができ、
結果的にA品率が上がり収益も安定するという好循環が生まれるはず

これは既存の農家だけでなく、新規就農者にとって大きな壁となる、
販路開拓やブランディング、畑に出る時間の確保などの助けにもなれば、
ここ20年で半減している農業就業人口の減少傾向の歯止めに、多少なり貢献できないものかと思っています、まじで

(農業就業人口:2000年=389万1千人、2010年=260万6千人、2019年=168万1千人)

画像2

後半眠くなる話ですが、続けて書いておきたかったので、すみません

そしてさらにーその3ーへ続きます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?