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環境問題や健康問題が解決しない理由

 本日は、2021年5月12日の日経新聞に「現代人は「引き算」が苦手 労働や環境問題、解けぬ一因」という興味深い記事がありましたので紹介したいと思います。

新聞記事 
 働きすぎや非効率な仕事、環境破壊といえば、いずれも現代社会が直面する深刻な問題だ。新たな選択ができるはずの人間がなぜ、これほどまでに解決にてこずるのか。その原因を「人間は引き算の決断が苦手で、足し算にこだわるから」とする説を米バージニア大学のチームが英科学誌ネイチャーに発表した。整理整頓の難しさが思い浮かんだ人も多いだろうが、「引く」という選択肢を見落とす「思考の欠陥」が人々を翻弄している。
参照
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71679470Y1A500C2MY1000/?unlock=1

思考パターンから環境・健康問題を考える
 人間の思考は、足し算には向いていますが、引き算は向いていないそうです。足すということは、その状態をイメージしやすいので、その思考には抵抗がありませんが、引くということはどのような状況になるのかが足し算ほどイメージはしにくいので、抵抗があるということらいいのです。特に何かを処分するという判断には、相当な認知資源が必要になるらしく、さらには引き算は過去の労力や実績が無駄になるかもしれないという不安もあります。そのため、引き算をするのは苦手なようです。
 私も実際にカナダに大学に留学していた際に、英語が良くわからず不安な毎日を過ごしていたことがあります。その際に、毎日「何も変化がない日が一番四幸せである」と感じていました。それは、今から考えるとこの先どうなるのかがわからないので、今の現状を維持しておきたいという思考の表れなのかもしれません。元々変化を求めて留学したのに、この先どのようになるのかの認知資源がないので、現状維持を求めてします。
 きっと環境問題や健康問題も同じような気がします。今まであったものをなくすという発想は、その先がどのようになるのかがわからない以上、とてもストレスになるため、その状況が想像できるような知識がないと先には進めない。その結果、引き算することをあきらめてしまうのかもしれません。今の現状が安定していそれなりに満足している現代社会では、何かに困っていない限り、それを変えてまで環境や健康に取り組む必要性がさほどない。その最大の問題は、将来の自分や世界がどのようになるかが想像できないからなのかもしれません。そう考えると、環境問題や健康問題を解決するには、将来の自分や世界を想像できる認知力、そのための認知力を高めていくこと。そのためには、未来の健康や環境問題に必要な情報を、noteを通じて広めていくしかないのかもしれません。




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