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ペルシャの青に魅せられて③ 〜イラン旅行記アーティストとの出会い編〜

イラン2日目は、サーデグさんとアーティストを巡る旅。
さらに妹のザハラさんが通訳として同行してくれました。
「工芸品の説明は、翻訳機を使っての説明だと全て伝わらないから」と。
本当に親切です。
それと同時に、サーデグさんと過ごす最後の日。

イランの芸術には以前から関心はあったのですが、
ちゃんと知っているのはミーナカリーとペルシャ絨毯ぐらい。
そんなペーペーの僕が(しかも訳あってお金も持っていない笑)
こんなに素敵なアーティストたちとお会いできるとは…
しかも運転手付きのワゴン車まで借りて…
まるで高待遇のおもてなしを受けるバイヤーになった気分。

今回案内してくれたところはいわゆる
「バザールなどでは売っていないもの」「観光客が行かないところ」
そういった工房たち。

前提として、今回訪問した工房の雰囲気や人の暖かさ、
素晴らしい芸術品の数々は、noteでの説明では収まりきれません。
ここからそれらの工房を、名前は伏せながら淡々と写真を載せていきますが、
本当はもっと細かく伝えたい気持ちでいっぱいです。

それでは芸術素人の僕の、乏しい語彙力・表現力と共に紹介していきます。

①伝統工芸品

博物館の展示品の修理や鑑定もできる方のアトリエ。
全ての伝統工芸品がここにあったと言っても過言ではありません!
見た目が同じでも安いものとの違いや、
購入するときのアドバイスもしてもらいました。
実際のリペアの様子も披露してくれました。
この後ここのオーナーさんと他の工房も一緒に回ります。

②ジュエリー

イランはターコイズ石の産地としても有名な場所の一つ。
こちらでは様々なメッセージを表現したジュエリーが印象的でした。
養成スクールもあり、多くの生徒さんへジュエリーデザインも教えています。

③ガラス工芸品

イラン国外の王室などからも依頼がある、
有名なガラス工房。
実際に目の前でデザインしてもらい、
その技術に見入ってしまいました。

④絨毯

従来のペルシャ絨毯だけではなく
レザーとのコンビネーションで絨毯を作成していました。
こういった伝統的なものを掛け合わせて作るモダンな作品は大好きです。

※いったん昼食を挟みます

ディーズィーというう
熱々の石鍋に入っているスープをボウルに移し、
そこにナンをちぎって入れて食べます。
さらに石鍋には他に豆や肉が残っており、
それを潰してナンに包んで食べるんです。
とにかく美味しい!これトロントで食べれるのかな?
それと、このみんなで囲んで食べることが前提の空間と料理、
これもイランの好きなところのひとつ。

⑤刺繍

強いメッセージ性ながらハンドメイドの暖かさ
そして何よりアーティストの人柄が伝わる作品の数々。
穏やかに過ごした時間。
すごくパワーをもらえた空間でした。

⑥ウッデンアート

もっと大きな作品も数えきれないぐらいあったんですよ…
写真撮り忘れてしまった…
街から離れた山奥にある工房。
その環境から様々な木製アートが作り出されていました。
伝統楽器の説明をしてくれたり
こちらでもイラン流のおもてなしを受けました。

そしてテヘラン市内へ戻ってきました。
一日同行してくれた、最初の工房のオーナーさんとはここでお別れ。
ひたすらペルシャ語で話しかけてきて面白い方でした。
最後どうしてもお土産を僕らに渡したかったらしく、
急いで自分の工房に取りに行ってた姿から優しさが滲み出ていました。

サーデグさんとザハラさんとはこの後、
僕が翌日に乗るバスのチケットを代わりに購入してくれるとのことで、
バスターミナルへ向かいました。
本当どこまでも助けてくれます。
そして晩御飯を軽く食べて、とうとうお別れの時が迫ってきました。

美味しかったけど、名前忘れてしまった…

充実して誰かと過ごした後はよくこんな表現をします。
「修学旅行から帰ってきた後のような感じ」
普段ひとり行動が多い僕にとって、
ずっと誰かと過ごすことはかなり珍しい事。
ホテルの部屋に戻ってベットに横になった時、
ふと寂しくなったことを今も覚えています。

そんなふたりとの最後のやりとり。

僕がガイドの費用をお支払いするとき、細かいドル札を持っていませんでした。
お釣りは20ドルだったのですが
「お釣りはいらないですよ」とサーデグさんに伝えました。
でもサーデグさんは絶対に返そうと、
いくつものカードを使ってATMでお金を引き落としていました。

わかってはいたものの、イランの人にとっての20ドルと、
カナダから来た僕にとっての20ドルは価値が違うんですよね。
大きいお金なので、絶対に返そうとしてくれました。
※ちなみにこの旅では、タクシーのドライバー含め
全員お釣りをきっちり返してくれました。

そしてATMから引き出している間お金の話の流れで
僕は最後にザハラさんへ伝えた言葉は
「何か外貨を得る仕事を創り出せそうな気がする」
僕はエフィカシーの塊で、またそんなことを言ってしまったのですが、
何かイラン国外から、ふたりや旅で出会った人へお返しができるんじゃないか、
そんな気がしてます。

ひとまず、来年またイランへ戻ってきます。
その時はまたガイドと通訳をお願いしたいと思います。
今回出会ったアーティストさんにお礼をしたいので、
また同じルートのツアーを組んでもらって。

そしてザハラさんが言っていた言葉「政治の問題と市民は違う」
本当にそう。
経済制裁下でも、こうして優しさを持って生活している人、
アートを作り続けている人、ごく普通の日常があります。

みなさんはイランやイスラム圏内の人と関わったことがないにも関わらず、
「イランって治安悪くて危険そう」「イスラムって恐そう」
とか言ってませんか?

サーデグ(右)さんとザハラさん(中)
今すぐ会いに行きたいー
アーティストの方々からもらったお土産と
サーデグさんがくれたザクロと生ピスタチオ。
この果物に翌日以降助けられます…

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