ALIS安氏登壇のblockchain勉強会をまとめてみた
先日渋谷にて行われた、ブロックチェーン勉強会に参加してきました。
日本企業で初めて大型ICOを成功させたALISの安氏が登壇されており、その話がとても面白かったので、そこでの安氏のお話と感じたことをログとして書き記そうと思います。
簡単なまとめ
このNoteは勉強会の内容を詳細に記述したものなので、お時間のない方や要点だけ簡単に!という方は以下を参考になさってください。お時間のある方は是非全部を読んでください。まとめには入りきらなかったより詳しい内容まで知ることができます。
ビジネス応用におけるブロックチェーンの価値
- ブロックチェーンは報酬と組み合わせた時に大きな価値を発揮する
- トークンエコノミーをどのように設計するかが問題
- プライベートブロックチェーンにはその点で課題がある
トークンエコノミーがもたらす次世代のあり方
- 中央集権から非中央集権へ
- C2CからP2Pへ
- ブロックチェーンの仕組みと経済的インセンティブ
- 資本主義は初期条件の差が大きく影響する
- より良い世界を築く余地は大いにある
ALISの説明を通じた、トークンエコノミーの具体的ケース紹介
- ブロックチェーンを使用したソーシャルメディア
- 日本の一部Webメディアの情報信頼性の低さとブロックチェーン産業の遅れに課題感を感じ立ち上げた
ICOとは、ICOを実施するにあたり必要なこと
- ICOまでの手順自体はそれほど難しくない
- 法律の規制の問題が大きい
- ALISはサービスを応援してくれそうな個人投資家を対象とした
- 何でICOをするかを決定する
- White Paperをかく
- スマートコントラクトを実装する
- 詐欺対策をする
- 広告を出稿する
株式会社ALISとは
株式会社ALISはリクルート出身である代表の安氏を中心に運営されている企業です。このALISは国内初の大型ICOの実施と成功によって一躍注目を浴びることとなりました。
そもそもICOとは仮想通貨を使った資金調達の方法であり、投資家やVCに株を渡す代わりに資金を受け取るような通常の資金調達方法とは異なる、新しい資金調達の方法です。
国内初の大型ICOを成功させた株式会社ALISは今回、「信頼性の高い情報・人に素早く出会え、 誰もが報酬を得ることができるソーシャルメディアプラットフォーム」を掲げ約4.3億円の調達を達成しました。
ALISが掲げる理念は、ブロックチェーンの技術を活用することにより「従来のメディアにありがちな広告のためのコンテンツ、ステルスマーケティング、信頼性の低い情報に うんざりしている人々を解放する」ことです。
現在のWebにおいて記事の作成者は、広告収益の最適化を目的に記事を執筆しています。そこで重要視されるのはGoogleの評価アルゴリズムにどれだけ高く評価されるかということや、どこにどのように広告を配置すれば広告収益が最適化されるかということであり、それは必ずしも
”読者が価値を見出す信頼性の高い記事を作成すること”
ではありません。
そしてその結果、人々は「信頼性の低い情報にうんざりしている」のだと安氏は述べます。そして安氏はブロックチェーンを活用したトークンエコノミーの設計によってこの問題を解決できるはずだと考え、今回のプロジェクトに取り組んでいます。
株式会社ALISのHP:
https://alismedia.jp/ja/index.html
株式会社ALISのホワイトペーパー:
https://alisproject.github.io/whitepaper/whitepaper_v1.01_ja.pdf
勉強会の主催団体東大ブロックチェーンBitPenguinとは
今回の勉強会は、東大ブロックチェーンBitPenguinさんの主催で行われました。東大ブロックチェーンBitPenguinとは、ブロックチェーンを社会実装していくための活動をする東大生を中心とした学生団体です。
定期的な勉強会や講演会、ハッカソンなどの企画、実プロジェクトの実行などを手がけているようです。技術的側面とビジネス的側面の両面からブロックチェーンの実用性を議論、実装していき、ブロックチェーン領域を先導する人の輩出を目指した団体となっております。
メンバーは随時募集中とのことで、学生等でご興味のある方は以下の連絡先からコンタクトを取ることができます。
連絡先: ut.blockchain.developers@gmail.com
さて、今回の勉強会で登壇した安氏の立ち上げたALISがどのようなビジョンを持つ企業で、どのような世界を目指しているのかについて簡単に触れたところで、今回の勉強会の内容について追っていくことにしましょう。
今回の勉強会で取り上げられたことは大きく4つです。
- ビジネス応用におけるブロックチェーンの価値について
- トークンエコノミーがもたらす次世代のあり方
- ALISの説明を通じた、トークンエコノミーの具体的ケース紹介
- ICOとは、ICOを実施するにあたり必要なこと
それぞれについて、印象的であった言葉をもとにまとめていきたいと思います。
まずは、ビジネス応用におけるブロックチェーンの価値について。
「ブロックチェーンはインターネットの比ではないほど大きなインパクトをもたらす可能性を秘めている」
- ブロックチェーンは報酬と組み合わせた時に大きな価値を発揮する
- トークンエコノミーをどのように設計するかが問題
- プライベートブロックチェーンにはその点で課題がある
インターネットは世界に革命をもたらしたと言われており、現にインターネットの普及によって私たちは時間的・空間的制約を超えて繋がることが可能になっています。
実際、海外旅行をしながら友人とLINEで連絡を取ることができるのも、Facebookで小学校時代の友人を見つけて再び関係を構築することができるのもインターネットのおかげですね。そのような世の中で次なる革命技術として近年注目を浴びているのがブロックチェーンだと。
そもそもブロックチェーンとはどのような技術であり、どのような部分に価値があるのでしょうか。「ブロックチェーンとは」でインターネット検索を行うと、以下のように出てきます。
分散台帳技術、または、分散型ネットワーク。
「これだけを見て、ブロックチェーンの技術的な部分だけを考えるとブロックチェーンにはあまり必要性がなくなる。純粋に既存のデータベースでの管理で問題ないはず。だが、ブロックチェーンやICOを用いてできることの中には、報酬を設計できるという点がある。
ブロックチェーン単体ではそれほど革命的に使い勝手の良いものではないだろうが、報酬というものと合わさった時にはそれが大きな意味を持つようになってくる。ブロックチェーンを使う最大のメリットは、トークンエコノミーによってコミュニティとのサービス共創を作り上げることができる点だ。」
安氏は、ブロックチェーンが世の中に影響を与えるための要素として報酬の存在をあげました。ブロックチェーンとは、簡単に言えばデータを中央集権的にではなく非中央集権的に管理する仕組みのことです。今までの世界では全て、情報はトップダウンに、中央集権的に管理されていました。
例えばマンガや雑誌などの情報は全て出版社が管理しています。アーティストが作る音楽作品たちは、レーベルが管理しています。食料品会社は自社の食品がどのくらいの在庫でどれくらいが出荷されたかを管理していますし、TwitterのツイートデータもDBを持つTwitter社が管理していますね。
それらの情報を非中央集権化しようとする試みが、ブロックチェーンでした。この仕組みの中では、不正を防止することや二重送金の問題を解決することができると言われています。
ただ、ブロックチェーンをデータベース管理の側面だけで見た時には、既存のRDBやNoSQLでも問題がないと考えられます。現在も、食料品の管理や音楽作品の管理で、致命的な問題が生じているという訳ではないでしょう。
そこで重要視するべきなのが、報酬の存在だと安氏は語ります。
例えばALISの仕組みでは、記事を書いた人や記事を評価した人に対して報酬を与えます。
信頼性の高い記事を書いた人やいち早くいい記事を評価した人が多くの報酬を受け取ることができる仕組みです。人々にはより多くの報酬を受け取ろうというインセンティブが働くため、ALISコインを受け取るために信頼性の高い記事を書くように意識しいち早くいい記事を見つけようと行動するようになるでしょう。
結果としてALISの中には良いメディア記事が集まる状況が出来上がります。
ここで大事なのは、人々が受け取る報酬にはもう一つの形があるということです。ALIS自体がより良いメディアになっていくことによりALISコイン自体の価値が上がっていくということで、記事を書くなどしてALISコインを保有する人たちはより嬉しい状況になります。
このように、報酬を上手に設計することによって人々は多くの報酬を得ようと行動します。
「肝となるのは、個人個人が報酬を多く得ようとする行為それ自体がコミュニティの価値を上げるように設計されているということである」
と安氏は語りました。
従来のメディアでは、それぞれの人々が自分の収益を最大化しようとすることが、必ずしもWeb記事全体の質を向上している訳ではありません。
皆さんも、知りたいキーワードで検索した時に、検索上位にあるものの知りたい情報についてはきちんと書かれていない情報やタイトルでは大きなことを言っているのに実際には大した中身のない記事に出くわしたことは一度ではないはずです。
その原因には、収益の多寡はGoogleエンジンに評価されるかどうかで決まるということがあります。Googleの検索エンジンシステムはとても優秀なので近年その質はどんどん上がり続けてはいるものの、中央集権的にGoogleエンジンが評価するということによって、読者満足度の最大化とは少々齟齬が生じるのは避けられないのです。
ALISはブロックチェーンを用いてその状況を変えようという試みを行っています。
記事作成者が受け取る報酬は、読者がどれくらい評価したかによって決定されます。そのため、記事作成者は読者に評価される信頼度の高い記事を作成しようとするようになるのです。
もし記事作成者が信頼度の低い読者満足度の低い記事を作成した場合は、評価を得られず報酬が返ってこないため、ALISを使って記事を書く場合、
「報酬を最大化する」
ということがそれすなわち
「読者の満足度を最大化する」
ということにつながるのです。
この安氏の話から、ブロックチェーンがもたらす大きな価値の1つは、
報酬を適切に設計することによってあるコミュニティ内において個人最適化と全体最適化を一致させることができる
という点であると感じました。
中央集権的に管理する社会においては、評価に関与することのできる人々が限られます。
WebにおいてはGoogleの検索エンジンが権力を持ち、それが読者にどれくらいの満足度を与えたかは間接的にしか考慮されません。
しかし、非中央集権的に管理をして評価を行うようにすることによって、直接的にそれを評価することが可能となるのです。
次に、トークンエコノミーがもたらす次世代のあり方について。
今後どう世界は変わっていくのか
- 中央集権から非中央集権へ
- C2CからP2Pへ
- ブロックチェーンの仕組みと経済的インセンティブ
今後のブロックチェーンの普及によって、各コミュニティにおいて価値のあることを行うことが報酬へとつながる社会ができる、と安氏は述べました。
その今後の世界は、これまでの世界とはどのように違いがあるのでしょうか。
安氏は、株式会社とトークンエコノミーを比較して説明をします。
株式会社の仕事は、利益を追求してそれを株主に還元することです。ただこの時、株式会社に関わるステークホルダーは、株主、経営者、社員、(株式会社が提供する)サービスを享受する人、と多岐に渡ります。
このたくさんの人は、それぞれ利益の方向が違います。そのため、全てを満たすことはとても難しいです。想像しやすい例としては、株主に利益を還元するために利益を追求した結果、会社の内部の社員が割りを食うことなどが起こりそうですよね。
この、ステークホルダーが多様でそれぞれの利益が異なるために生じる問題を安氏は「ねじれ」と呼びました。
それを解消するのが、トークンエコノミーであると安氏は述べます。
トークンエコノミーでは、そこに関わる全ての人の目的が1つになります。
それが
「コミュニティの価値を最大化すること」
です。
例えばトークンエコノミーに投資をする人も、そのコミュニティの価値が最大化されれば持っているコインの価値が上がるため嬉しいですし、コミュニティに関わる人々はそもそもコミュニティが活性化することが目的でしょう。
「コミュニティの価値を追求することが本当の意味でできる価値主義時代が訪れる」
という言葉の後に、安氏はこう続けました。
「ゴミ拾いを20年続けた人とか。そういう人たちが認められてそういう人が大事にされる時代が来るだろう」
「今の社会は本当に最適な社会なのか」
- 資本主義は初期条件の差が大きく影響する
- より良い世界を築く余地は大いにある
安氏は、今の社会は本当に最適な社会なのかと疑問を投げかけます。それは、今の社会が間違っているということではなく、より良い社会のあり方もあるのではないか、というものでした。その理由は、資本主義は初期条件の差が結果に大きく影響するという点です。
「上位1%の富裕層は全体の48%の資本を持つ」
「生まれた瞬間に予測できる最終的な階級の精度は80%」
であると安氏は述べます。
そう考えてみると資本主義のこの世の中は、生まれ落ちたその瞬間からとてもとても不平等なものなのですね。富めるものがより富を獲得し、階級も不確実性が少ない(初期条件のみから高精度に当てることができる)のは、機会が不平等ですね。
そのような資本主義の社会も、ブロックチェーンを活用することで、より望ましい形に変えることができるのではないかと安氏は考えるようです。
ただし、これらは既存の円(資本主義経済)とのリンクが大事です。今すぐに、ALISトークンなどだけで生きていくことは不可能だからです。そして、資本主義はわかりやすいという利点も兼ね備えています。
なので、特に初期段階においてはいかに資本主義からも賛同を得るかも大事であると安氏は付け加えました。
安氏はALISの説明を通じたトークンエコノミーの具体的ケース紹介も行ってくれました。
「信頼できる記事と人々にいち早く出会えるメディアを」
- ブロックチェーンを使用したソーシャルメディア
- 日本の一部Webメディアの情報信頼性の低さとブロックチェーン産業の遅れに課題感を感じ立ち上げた
安氏はブロックチェーンに未来を感じるとともに、特に日本におけるブロックチェーンの応用が進んでいない点に課題意識を感じALISプロジェクトを立ち上げました。そして取り組んだのが、メディアです。Googleの検索エンジンなどは、アルゴリズムのみで解決するというのは限界があると考え、
「いい記事を書いた人と、真っ先にいい記事を見つけた人にALISトークンを報酬として配布する」
という設計によって問題を解消することを試みます。
安氏はソーシャルメディアではfeedbackが大事であるとし、通知や報酬の重要性を説きます。
また、ALISではトークンの払い出し数で、信頼できる記事が一目でわかる仕組みを取り入れています。
多くの人がいいねする
目利き師がいいねする
と払い出し数が増える仕組みとしています。そうするとどうでしょうか。より多くの人がいいねと言ったものは信頼できるものとなると同時に、
みんなが信頼できるとしている人がいいねと言ったものはいい記事
であるというようになります。そこについては、アルゴリズムで担保するよりも、人が底を担保するというようにすることが大事だと考えての設計です。
また、ALISはこのプロジェクトを行うことで、社会資本の可視化、信頼の定量化を行うと言います。
世の中には
金融資本
人的資本
社会資本
があると安氏は述べました。
金融資本は、お金ですね。
人的資本とは、よく人脈と呼ばれるものだと考えて良さそうです。
社会資本、これは周りがどのようにその人を思っているか、その人は信頼されているか、などの情報と考えることができるでしょう。
その中で、社会資本が最も大事であるのにそれが可視化されていないと安氏は語ります。
その社会資本を可視化する上で、ICOやトークンエコノミーは相性が良いと続けました。
資本主義は人的資本や社会資本をも間接的に金融資本ではかろうとする取り組みであると考えることもできそうです。しかし、そのように1つの軸で表現をすることには若干の限界があると言わざるを得ないでしょう。
資本主義にとらわれず、信頼なども正しく評価される社会、それがトークンエコノミーによっては実現可能に思えます。
最後に安氏は、ICO経験者として、ICOについて、ICOをするために必要なことについて会場に説明しました。
「ICOとは」
- ICOまでの手順自体はそれほど難しくない
- 法律の規制の問題が大きい
- ALISはサービスを応援してくれそうな個人投資家を対象とした
ICO自体の手順はそれほど難しくないと安氏は語りました。ALISがICOをするまでに踏んだ手順は以下のもののようです。
1. 何でICOをするかを決定する
2. White Paperをかく
3. スマートコントラクトを実装する
4. 詐欺対策をする
5. 広告を出稿する
ALISのICOでは、その投資の対象を個人投資家に絞っていたため、手順はこれだけであると述べます。
ALISはこのICOにより4.3億円ほどを調達しました。これは莫大な額ではないですが、それでも個人投資家を対象として集めた額としては大き位でしょう。
大口の投資家を対象に含めるとしても、それほど大きな違いはないようです。現時点でのICOは規制が厳しくなっていることもあり少し難しいことを合わせて述べました。
「ICOは、資金調達ではなく新しい事業開発のカタチ」
安氏は、ICOは単純な資金調達の方法ではなく、新しい事業開発の方法であると述べます。
ICOによって、どれくらいの額を集めたかというそれ自体のことは重要ではなく、どれだけの熱狂的なコミュニティメンバーを見つけられるかが大事だと言います。
熱狂的なメンバーを見つけることが、コミュニティを活性化すること、コミュニティの価値を最大化することに特に重要になってくる、と。
「知っておくべきICOのリスク」
もちろん、ICOにもリスクはあります。安氏の話の中ででたリスクは、以下のようなものでした。
1. 小額調達で失敗した時に投資家に不利益を被らせる
2. ICOで調達しすぎてもvaluationを上げられずに苦労する
3. ICO終了後通過が上場したタイミングより、今までのベンチャーでは不要であったケーバピリティが求められる
4. 一般投資家対応、調達通貨の管理、適時情報開示、etc
これらを踏まえて、安氏のオススメのICO方法は以下のようなものでした。
1. スマートコントラクトでの、調達失敗時の返金
2. 自分たちの必要な金額のみの調達
3. 複数人での調達額の管理
4. グローバルを意識した情報の開示
最後に、会場で取り上げられた質問と、それに対する回答を載せます。
Q&Aセッション
Q:
ブロックチェーン技術を使って社会資本の可視化・定量化を行うと思うが、多くの人が信頼してくれるから良いと考えるものだと思う。
それは集団的に悪用しようとしたら悪用が可能なのではないか?
A:
答えはビットコインが持っている。壊した方がコストのかかるようなトークンエコノミーを設計することが大事。ちゃんと使った方が明らかに徳になるよね、という状況のこと。
ただ、利益ではなく哲学として壊しにくるプレイヤーがくるとまずいだろう。
積み上げた結果もっといいものができるということをやる必要がある。
Q:
量子コンピュータによる暗号の解読に関わる問題は多くあると思うが、それに対応できるか?
A:
量子コンピュータ対策のブロックチェーンはすでにある。
量子コンピュータが実現した時には、仮想通貨どころか世界中が大混乱のはず。それはもう抗えない。
量子暗号を作り出すということをやらないといけないだろう。暗号化は色んなところで作られているので、事前に通達がくるはず。
ビットコインは量子コンピュータで崩壊するかもしれない。クオンタムレジスタントベンチャーについて調べてみると良いかもしれない。
Q:
優秀なキュレータが紹介してくれることで成立するというものは、インフルエンサーが勧めるものと本当にいいものは違うことがあると思う。そこについてはどう思うか。
A:
情報について正解・不正解を与えることができるかということが問題としてある。
Q:
ALISはメディア収益として何を考えている?
A:
3年間はマネタイズを考えていない。トークンが色んなところで使われるならトランザクションフィーをもらうとかを考えている。
Q:
コミュニティビジネスはマネタイズとして相性が悪い?
A:
広告とかまさにそうで、見たくないもの。
Q:
なぜ日本人にプレーヤーがいなくて、どうすれば日本人が伸びるのか
A:
英語力
プログラミング力
お金を管理する力
日本のサラリーマンは、確定申告とかをやらなくていいようになっている。アメリカはそんな仕組みはなくて、自分で集めたお金を守るようになっている。
Q:
地域通貨について話を聞きたい。地方とブロックチェーンの設計はどうすればいい?
A:
誰か検証してほしいなと思っている。現在地域通貨では、そこに貢献したとしてもコイン・プロダクトが市場で認められないのでは?
全然使われてないということになったら、使わないし持つ理由もないということになるのでは?
個人的には権利型トークンがいいのではと思っている。
トークン価格 = (流動性 + ネットワーク性) × 期待値
で成立しているのでは?
期待値というのは作るのは難しい。(詐欺っぽくなる)
プレーヤーとしてやるべきは、流動性とネットワーク性。取引所であげるということとサービスの中で使われるということ。
Q:
目利きを可視化したいとおっしゃっていたが、信頼の値にも、定量的な1つの値ではなくカテゴリの使用を考える必要があるのではないか?
例えば、プロ野球選手が野球の解説にいいねする場合はいいけど
プロ野球選手が経済の専門記事にいいねして評価されるのはちょっと微妙な気もする。
その時には、どのようなカテゴリを用意するか、それぞれのカテゴリに対してどれくらいの信頼度があるかということを数値化することが必要であるように思うが、そこについてどのようにお考えか。
A:
僕の考え方では、バーティカルなサイトをつくる。まずは仮想通貨のサイトを作る。そういうのを書くのが得意な人が集まるようにする。そのテーマで信頼できる
ALIS-仮想通貨
ALIS-○○
というのを作ろうとしている。
Q:
医療情報って信頼が必要だと思っているが、それが医療のリテラシーの向上につながったかとかについては謎である。
コミュニティは参加意識が必要だと思っている。それがトークンエコノミーとかと相性がいいのではないかと考えている。
A:
医療は、正解があるのかもわからないし、そもそも納得解すら存在するかどうかもわかっていない。
医療は正直踏み出しづらい。どの医者が信頼できるかを可視化することであるだろう。それは、本当にみんなの口コミとして出していくことだと思っている。
評価していくとトークンがもらえるというようなこと。
Q:
プログラミングの素養が重要になるだろうと言われているどこまでプログラミングできる必要があるかについてどう思うか?
A:
プログラミングにはセンスのあるないについてはすぐにわかる。
技術の理解については、誰でもできるのでやってほしい。
プライベートでいいから独自のトークンを作ってがちゃがちゃやるのはやってもいいと思っている。
今後、技術を理解できない経営者にエンジニアがついていくとは思えない。
Q:
ALISの仕組みは自律分散型で動くものなのか?
A:
僕たちはトークンのボラティリティをなすがままに受け入れるということにしている。今10円のトークンを10個獲得して、それが100倍になるというのは全然いい。しかし、それが下に下がり続けるのは良くない。死を意味する。
トークンの一部を要請に応じてなくすとかそういうことについても、コミュニティが許すのであればやってもいい。
Q:
パブリックセールをした時に、一般投資家へのリーチで一番苦労したのは?
A:
英語。一番最初の信頼をどのように獲得するかについても結構難しい。
知ってもらうのもそうだが、このプロジェクトは大丈夫だということを告知してくれるということが大事になってくる。
ICO当時はお粗末なものが多かった。
進捗報告が少ない
コミュニティとのやりとりが少ない
タスクが可視化されていない
などが多かったので、それを全部公開するというのがハマったのだろう。
それをお金で解決しようというのは難しいだろう。
Q:
ICOの割合を見て思ったのは、ALISは国内限定なのに、海外が多いのはどういうインセンティブ?
A:
日本人が真面目にやっているから伸びる
分散型メディアの可能性
日本が好き
というのがある。そこにコミュニケーションを取りに行くということをしている。
Q:
今後どのようにブロックチェーンが広まって行くか?
A:
ALISトークンでは、仮想通貨を使うという習慣をつけるようにしたいと考えている。
Q:
トークンの価格の方程式について。発行されるトークンのボラティリティが高くて、ユーザからそれが見えるということはホールドのインセンティブにもなると思っている。
流動性に齟齬を起こすのかなと思っている。正解はないかもしれないが、アプローチはどう思っているか?ボラティリティを下げるために新規発行するか?とか。
A:
基本的には、トークンをホルダーとそうでない人に分ける。基本的にはホールドしない人が多い。ウォレットに入れている人は数パーセントくらいか。
PoSのアルゴリズムだと、みんながガチのホールドをする場合がある。その時には、1ヶ月Stakingすると使わないといけない、みたいなことを考えている。
Q:
今の状態では法定通貨にかえるということを考えると、今の状態はポイントと変わらない。それをALISコインのみで生きることができるようにするにはどうする必要がある?
A:
お金に縛られるのは嫌だ、というのはみんなが思ってることではないか?身につけているもの至上主義みたいな人もいるけど、そうじゃない若者って多いのでは?
トークンでもいいじゃん、って思えるようにするというのが大事なのでは。だんだんトークンエコノミー側に寄せられる人が多くなるといいなと思っている。
Q:
トークンエコノミーで競合とか類似サービスとか関わってくるものが多いなと思っている。競合の関係はコミュニティになると変わるか?
A:
プロダクトレイヤーを考える必要がある。
ソースコードレイヤーは終わる。プロダクトを誰が使っているかまで含めて考える時代になってきていると思う。
Q:
どうやってコミュニティを大きく作る?
A:
理念レベルで、世の中から見て正しいことを掲げる。信頼できる情報を掲げる。この人たちなら任せられる、というところから熱狂的になると考えている。
コミュニケーションの量と質。
熱狂的なものを作り出すのは質。
招かれる説明会も5,6個やる。
meetupもやる。
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