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奇跡!イケメン講師の個別塾発見!不登校児の学習意欲アップ&第3の居場所となり得るか⁉その結末は…?

友達付き合いが苦手な長女クラレにとって「学校の先生」は、周りの同級生よりもはるかに大きな存在だ。

中学入学以降、小学校の先生とはあまりに違う中学校の先生に心を開くことができないクラレは徐々に学校に行けなくなっていった。

「過敏性腸症候群」を発症し、登校前になると腹痛を起こして遅刻や欠席が増える中、勉強もどんどんと遅れてしまい、益々学校に行くことのハードルが上がってしまうことを懸念して、クラレが通いやすい『個別塾』を探すことにした。

しかも、ただの個別塾ではない。
クラレが少しでも塾に行くことが楽しみになる様に『イケメン講師』がいる塾を探した。

するとなんと!
自宅から一番近い個別塾に『イケメン講師』がいたのだ!
はたして、塾はクラレにとっての第三の居場所になり得るのか??

・・・

「イケメン講師」個別塾スタート

奇跡的にイケメン講師の居る塾が近所に見つかり、運命的なものすら感じ、体験授業も楽しかったというクラレからの話を聞き、さっそく入塾の手続きを進めることにした。

クラレもやる気になっていて、塾に行くことを楽しみにしていた。

この塾がクラレの第三の居場所になるかもしれないと期待も膨らんでいた。

そして満を持して、イケメン講師の個別指導塾がスタートした。
講師一人に対して生徒が最大3人までの授業で、1コマ100分だ。

中学に入ってからマトモに勉強していないクラレにとっては恐ろしく長い時間なはずである。

それでもクラレは週に1日の通常授業とほぼ毎日ある冬期講習に頑張って通っていた。

学校へも塾に行き出してからは朝から行けるようになっていた。

イケメン効果スゲェ!!

ところが・・・
個別指導塾に行き出して2週間が過ぎた頃のある朝・・・
クラレは突然スイッチが切れたように起きなくなった・・・

声をかけても反応が無く、ゆすっても身体を起こそうとしても声ひとつ出さない。

寝てるわけでもなく、時々目は開けるものの、どこを見てるか分からず視線も合わない。

ちょっと怖いとさえ、思ってしまう。

クラレはこの2週間頑張っていた。

学校も午前中から行っていたし、部活もやって、帰ってからは塾にも行っていた。

勉強にも前向きに取り組もうとしていたので、塾に通い出したことでいい方向に向かい出してきたのかと期待していた。

でもそれはクラレが無理に頑張っていただけかもしれない・・・

とにかく、今クラレが何を思っているのか知るためにどうしたらいいか考えた。

前にも同じような状態になった時に、紙に筆談のように書いてやりとりをしたことを思い出した。

今回も同じように紙と鉛筆を渡して「なんでもいいから思ってることを書いて」と言った。

しばらくするとクラレが何かを書き出した。
クラレが書いたことに私が口頭で返事をすると、クラレがまたその返事を紙に書く・・・というやりとりが続いた。

そのやりとりで分かったのは、とにかく学校の先生が嫌だということだった。
塾には通い出したものの、クラレにとって『学校』はまだまだストレスの元凶になっているのだなと感じた。

冬休みに入り、クラレは塾にはちゃんと通って、冬期講習も全部受けることはできた。
でも塾からの宿題はいっさい家ですることはなく、自習室へも通うことはなかった。

塾での授業態度も、居眠りをしたり落書きをしている時間が増えていると塾からくる報告メールで知った。

明らかに塾への興味や勉強に対するモチベーションは落ちていると感じた。

そして3学期が始まると、クラレはついに塾にも行き渋るようになっていた。

塾の講師は、イケメンではあったが、生徒のメンタル面をサポートして、モチベーションを上げてくれるような対応はしてくれない塾だった。

クラレも「塾行くのめんどくさくなってきた」と言い出していた。

結局クラレは3ヶ月目でイケメン講師の個別指導塾を辞めてしまった。

クラレの気に入る見た目の講師を重視して選んだ塾だったが、結果的には失敗だったかもしれない。

でもどの塾を選んだとしても、結果は一緒だったかもしれないが・・・

そしてクラレの第三の居場所探しは振り出しへと戻った。


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