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クラレ#5:塾探し。その結果は・・・

勉強がどんどん遅れていくことも不登校に拍車をかけていると考えたのと、学校、家以外の居場所に塾がなり得るかもしれないという期待もあって、クラレが気に入りそうなイケメンの先生が居る個別指導塾を探すことにした。

クラレ本人も勉強の遅れのことは見た目以上に気にしていた様子で、塾に通うことは前向きだったことも大きかった。

ただ、問題は自宅が鉄道の駅からも遠く、家の車も平日は使えない為、クラレが自分で通える範囲にある塾の数がそもそも少なく、その中でも個別指導塾はたったの2ヶ所だけだ。

しかもイケメンの先生が居るかどうかなんて、ほぼ絶望的だなと思った。
不安になったので、事前にクラレには確認しておいた。

「クラレ、家から通える個別塾が2つしかないからイケメンの先生は居ないかもしれないけど・・・それでも塾に行きたいと思う?」

しばらく考えた後、クラレは答えた。

「イケメンじゃなくても優しい先生やったらいい」

よっしゃ!
ハードルは少し下がった!
どうか、この2つの塾にクラレが気に入るような先生がいますように!

祈るような気持ちで、2つの塾に体験授業を申し込み、すぐに日程が決まった。

▼いざ、体験授業へ

最初に体験に行った塾は昔ながらの学習塾といった感じで、机や椅子も学校で使われているものと同じものだった。
老舗感が漂う。

この塾の個別指導は先生一人に対して生徒は最大3人までで、体験に行った日はクラレの他に1学年上の男子生徒が授業を受けていた。
そして肝心の先生は年配の女性で、ベテランぽい雰囲気で『ザ・先生』といった感じだ。

第一印象では、クラレの怖がりそうなタイプなのでちょっと不安になった。

体験授業の様子は私は見ることはできないので、終わってからクラレに話を聞いてみた。

「最初は怖い先生かと思ってたけど、教え方はやさしかった。
あと、一緒に受けてた男子が全然先生の言う事聞いてなくておもしろかった」

と、意外にも感触は良さそうだった。
案外クラレの許容範囲は私が思っていたより広いかもしれないと思った。

そして2つ目の塾の体験へ。
こちらは数年前にできた新しい塾で、室内もオフィスの事務所の様な雰囲気だ。
商談スペースの様にパーテーションで仕切られた部屋がいくつもある。
最初の塾とは全然違う感じだ。

そして現れた塾長に度肝を抜かれた。
身長180㎝超えの高身長!
スーツを着てても分かるガッシリした体つき!
茶髪に切れ長の目!
そしてなにより若い!20代後半??
まごうことなきイケメンがそこに居た。

『うおおお~~~・・・!ホントに塾の先生なのか??』

予想外のイケメンの登場に思わずたじろいだが、保護者として平静を装い挨拶をしてクラレはさっそく体験授業へ。

体験授業の先生は塾長とは違うタイプの可愛い系男子(こっちも若い)だった。
これはひょっとしてひょっとするかも?
期待が高まっていた。

体験授業終了後、クラレに感想を聞いてみると

「めっちゃ楽しかった!分からんかったとこも1つ分かるようになった!」

と思った通りの好印象。
もう答えは決まっているだろうと思ったが、念のために聞いてみた。

「最初に行った塾とどっちがい・・・」

言い終わる前に返事か返ってきた。

「絶対こっち!!」

だよねー。
奇跡的にイケメン先生の居る個別指導塾が見つかり(しかも自宅から一番近い)、これはもう運命と言うしかないと思った。

すぐさま入塾手続きを始め、2学期も終わりの時期ということもあり、週に1回の個別授業と冬期講習を受講することになった。

「3学期はテストでいい点とってみんなを驚かせるわ!」

と、いつになくクラレの意気込みも感じられた。
この塾で先生との良い関係をつくることができれば、勉強にも前向きになれるだろうし、塾が開校している時間帯ならば自習室には行きたい時に自由に行けるので、クラレの居場所になるかもしれない。
そうなってくれたらどんなにいいだろう。
そうなってくれるんじゃないか。

私は期待していた。

クラレ編 ⑥ に続く


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