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クラレ#2:先生がキライ! 小学校に戻りたい!

仲良しの友達は居なかったが、大好きな先生がたくさんいた小学校を卒業した長女クラレ。

中学校でも新しい先生と出会い、新しい関係を作っていってほしい。

そう思っていた。

中学校入学後しばらくクラレは普通に朝から学校に通っていた。

クラブ紹介を見た時に「面白そうだ」と思った吹奏楽部に入部し、「優しい先輩に教えてもらえて楽しい」と言っていた。

問題は無さそうに見えていた。

ところが、1ヶ月くらい経つ頃から「小学校に戻りたい」と言い出すようになった。

小学校の先生が大好きだったクラレが最初のうちはそう思うのもしかたがない。
でもそのうちに中学校の先生とも仲良くなれるはず。
その時はまだそう思っていた。

でもその後のクラレの「小学校に戻りたい」はどんどんとエスカレートしていった。

「中学の先生はすぐに怒るし、話し方がキツくて怖い」(中学生相手だとそうなるのかも)
「担任は深海魚みたいな顔でキモイ! 嫌い! 顔を見るのもイヤ!」(ヒドイ)
「明日から小学7年生になって小学校に通う!」(追い返されるだけ)

中学校の先生は小学校とは違って、厳しめの言葉で指導する先生も多いようだ。
クラレは怒られることに対して極度に敏感なので、自分に対して言われてなくてもストレスに感じてしまうのだと思う。

それに小学校ではなぜか若くてイケメンな先生が揃っていた。
だから中学校で会える先生にもかなり期待していたはずだ。

だけど現実では思っていた様な若くてかっこいい先生は居らず、年配の(しかも怖い)先生が多かったこともクラレの期待を大きく裏切ることになったと思う。

毎日中学の先生達の悪口を言うようになり、これまでこちらが何も言わないでもやっていた家での学習も一切しなくなっていった。

「なんで宿題なんかあるの?」
「勉強なんかしても将来役に立たないんだから意味ないやん」
「時間の無駄」

そんなことばかり言うようになった。

吹奏楽の部活だけは楽しいと言っていたが、クラレは中学校への魅力を急速に失っていっていた。

▼1日10分。スマホバトル

クラレの家での過ごし方が変わった大きな原因に『スマホ』の存在がある。

クラレが6年生の冬休み、私と父親のスマホの機種変更のタイミングでクラレ用のスマホも契約した。

それまではクラレ用のタブレットで動画を視聴したりしていたが、長時間見すぎるなど使い方に問題を感じたことも無かったので、中学生になるタイミングでスマホを渡すことには特に悩むこともなかった。

契約時に設定するフィルタリングに加え、午後10時から朝6時まではロックされて使えないようにも設定していた。

スマホが手に入ったことが嬉しくてしかたがなかったクラレは、制限のことも納得し、最初は問題無くスマホと付き合っていた。

しかし、中学生になって先生への不満を言い出すようになり、家で全く勉強しなくなると、どんどんとスマホを見る時間は増えていった。

さすがに家で勉強を一切してないのに、スマホは使える状態なのはどうかと考え、定期テストの点数が悪い場合は1日のスマホ使用時間に制限をかけることにした。

悪い点数とは平均点以下だ。
定期テストで平均点以下の科目数の方が多ければ次の定期テストまでの期間、1日の使用時間を削り、平均点以上の科目の方が多ければ使用時間を延ばす、というルールを提案した。

家で勉強しなくてもテストの点数さえ取れれば制限をかけられることはないので、自分次第ということだ。

クラレもそれで納得したので、やってみることにした。

結果はクラレ惨敗。
1年1学期中間テストは全教科平均点以下だった。
小学校までは勉強についていけてないイメージがなかったので、正直予想以上の悪さに驚いた。

ルールに従い、それまでは夜10時まで自由に使えていた1日のスマホ使用時間は1日2時間までとなった。

次のテストで平均点以上の科目数の方が多ければ、使用時間は増えるので、そんなにキツイ制限でもないと思っていた。

だが、制限をかけられてもクラレが勉強することはなく、次の期末テストでも2学期になってからの実力テストでも定期テストでも、テストの点数はどんどん悪くなる一方で、スマホ使用時間も2時間から1時間、30分、最終的には10分にまでなった。

10分なら使えないのと同じでは!?と思うが、クラレはこの10分を何倍にもする方法を見つけていた。

あるアプリを使って音楽を聴くと、曲を選んでいる間は制限時間10分が減っていくが、曲を聞いている時間はカウントされないらしいのだ。
そんなスマホの裏技を駆使して、10分の時間でもやりくりするという涙ぐましい努力を行っていた。

その努力を勉強に使えばもっと楽にスマホが使えるようになるのでは・・・と考えてしまうのだが、クラレに伝えても響くことはなかった。

スマホが自由に使えないとなると、当然クラレは今まで使っていたタブレットで動画を見たりするようになっていたので、タブレットは取り上げてしまった。

その後、目を付けたのが妹たちが使っているタブレットで、たまに夜にロックをかけ忘れた時は決まって夜中に起きて使っていた。

妹のタブレットのセキュリティを強化すると、次に目をつけたのが父親のスマホだった。
一応PINロックされているが、アッサリと突破され、朝に父親のスマホのアラーム音が鳴らないことが頻発した。(クラレがミュートにして夜中に使ってるから)

父親に「クラレが勝手に使うから複雑なパスワードに変えて」と言っても「自分が忘れそうやし」と言ってなかなか変えようとせず、クラレにいいように使われっぱなしだった。

スマホ使用時間の制限はクラレにとってあまり意味がない、ということにだんだんと気付いてきた。

▼朝の腹痛。最初の通院

中学1年生の1学期は先生への文句が多く、勉強をいっさいしなくなるという行動は目立ったが、学校へはほとん毎日登校していた。

クラレとの交渉で、夏休み期間は宿題をすればスマホは使えるルールにしていたので、家族で出かけるなどの予定がなければほぼずっと家でスマホ三昧だった。

でも吹奏楽部の練習にはちゃんと参加していたし、家族での会話も多く、元気そうに過ごせていると感じていた。

そして中学1年の2学期が始まった。
1学期と状況は変わらず、クラレの状態はむしろ悪くなる一方だった。

朝に起きて準備するものの、登校時間が近づくと、腹痛になってトイレから出て来なくなる。

実際にお腹を下してしまう様で、それが毎日続き、遅刻する回数も増えていった。

学校が休みの日は腹痛は起きず、決まって学校に行く時だけの現象に「学校へのストレスかもしれない」と考え、地域で一番大きな総合病院を受診することにした。

その総合病院では小児科での受診を案内され、診察の結果『過敏性腸症候群』と診断された。

腸を整える薬と、腹痛時に飲む薬を処方してもらい、「なるべくストレスがかからない生活を心がけてください」と先生から言われた。

でもそもそものストレスの原因は「学校」なんだから、「学校」をストレスがかからないようにするにはどうすりゃいいの??だ。

とりあえず、学校に診断結果の報告と、クラレのストレスの原因になっていることについて相談してみることにした。

クラレ編 ③ に続く


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