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北送事業で北朝鮮に渡った人のその後

韓国政府が今年、北朝鮮の人権を扱った白書を発行した。一般にも公開されている。


2016年に制定された北朝鮮人権法に基づき設立された北朝鮮人権記録センターが、2017年以降、脱北者508人の証言を中心に作成した。

日本語訳した見出し



韓国語版だけだが、「北送事業」により日本から約9万人が北朝鮮に渡った人たちの現状も、少しだけ記述がある。先日訳したので、ここにも転載しておきます。

在日コリアン帰国者(以下、帰国者)は、195
9年に北朝鮮と日本が締結した「帰国協定」に基
づく在日コリアン北送事業により、解放後、日本
に滞在していた同胞が北朝鮮に集団的に帰国した
人々を指す。

帰国者とその子供は、大学入学、軍隊入隊、入
党などに制約があるわけではないが、職業選択の
際、労働党勤務や、法律家になることに実質的な制約を受けるというのが共通した陳述であった。

帰国者とその家族は「째포」と呼ばれ、朝鮮総聯系幹部の家族、一般人、大村収容所出身の家族など3つの部類に分けて差別しているという陳述もあった。

朝鮮総聯幹部の家族は安全員になったり、労働党勤務が可能だ。一般人は入党、大学進学、入隊は可能だが、党機関・安全部・保衛部・検察庁などで勤務することはできないということである。

最後に、大村収容所出身者は入党もできないという証言があった。

一部の陳述では、在日コリアンは師範学校への進学が不可能であり、その子女を「事務員」として配置することを拒否した事例もあった。

北朝鮮国内にある強制収容所への収容理由については経験者によれば、親や祖父の行動が問題視されるケースもある。言論反動や金日成・金正日などの権威を毀損したことが収容事由となることもあったが、唯一思想体系に対する中央放送の報道がうるさいとスピーカーを壊して処罰された事例、3代世襲を批判し、指導者は変わり続けなければならないと発言して処罰された事例、酒の席で金日成政権を非難したり、金日成・金正日政治は人民のためにするものではないと発言して処罰された事例、肖像画の管理が不十分で処罰された事例、金日成の肖像画に落書きをした犯人として
指名されて処罰された事例があった。

また北送された在日コリアンの家族が北朝鮮体制に批判的な発言をしたという理由で収容された事例もあった。

日本では北朝鮮の人権問題というと日本人拉致しか思い浮かばないが、それ以外にもさまざまなものがある。今後も問題点を抽出しておきたい。

ちなみに韓国統一省も人権問題を取り上げる方針で、新たに強硬派の誠信(ソンシン)女子大の金暎浩(キム・ヨンホ)教授を、長官に任命している。



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