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北朝鮮人の心を最も動かす韓国映画は何か 姜哲煥

最近、脱北者ユーチューバーの間では生放送が流行している。

購読者を増やす工夫だろうが、話がまとまっておらずつまらない事も多い。しかし、むしろこういう番組の中にこそ、彼らが知っていて、外に出ていない話が交じっていると思って、聞いている。

元朝鮮日報の記者である姜哲煥は、比較的話がまとまっている。

今回の話の中で興味深かったのは、北朝鮮の人たちは外部からの情報が入ってこない。インターネットどころか、ラジオも100人に2人程度しか聞いていないとの話だった。

ラジオを取り上げられているようだ。

これでは地方にいる住民が、国営ラジオを聞く事もできないが、まあこれは北朝鮮にネットワークのある彼の話なので本当だろう。

このため、姜たちはUSBに韓国映画を複製して送っている。厳密にいえば、著作権侵害だが、どうどうと語っている。

どんな映画がいいのか。「国際市場で逢いましょう」だという。やや意外だった。

戦後韓国人がどんな苦労をしてきたかを圧縮した作品で、私も見た。

姜によれば、一番北朝鮮人の心を揺さぶるのは、主人公が西ドイツの炭鉱で出稼ぎするシーンだという。落盤事故などにあい、散々な目に遭うのだが

「それでもわが国に比べれば、海外で自由に暮らしている」と感じるのだそうだ。それはそうだろう。北朝鮮の人が海外で働けば給料はピンハネされ、旅券は取り上げられて、監視下に置かれる。

もちろんキラキラの現代韓国ドラマもいいが、戦後似たような状況からたち上がった韓国の姿が、自分たちの国の矛盾を感じさせるということのようだ。


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