北朝鮮を支えるハッカーたちの実力

 

国境が閉鎖され、中国との貿易もほとんど無くなっている北朝鮮は、どうやって国を回しているのか。そんな疑問を解いてくれたのは米国の司法省だった。


 3月17日、米司法省は、米国内外の企業や銀行へのサイバー攻撃で13億ドル(約1400億円)を不正に取得した疑いで、北朝鮮のハッカー3人を起訴したと発表し、名前や顔写真を公開した。2014年のソニー米映画子会社を標的とした事件などにも関与したとみているという。

 3人は朝鮮人民軍の情報機関「偵察総局」に所属する20~30歳代の3人だった。悪性コードをメールで送りつける手法で、現金や暗号資産(仮想通貨)を奪い取ったという。15年から19年にかけてベトナムやバングラデシュなどの銀行のシステムに侵入したりして現金を盗んだ。

 17年にはコンピューターウイルス「ランサムウエア」を作成。情報を抜き取った企業に「身代金」を要求したこともある。インドネシアなどの企業にも攻撃を仕掛け、仮想通貨を盗み取ったという。彼らがキーボードを叩いて奪い取ったカネが、党39号室を通じて金正恩総書記に流れているのだ。核やミサイルの開発資金として使われている可能性もある。

 ところで、表情にまだあどけなさが残るこの3人は、どうやってハッキングの技術を学んだのか。

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