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サブスクリプションで考える企業 -Freee

基本に立ち戻ってサブスクリプションの実践を見てみたいと思います。

Freee概要

日経のTop10ベンチャー(Origamiも入っていたので眉唾ではありますが)にも入っていたFreeeを紐解いてみます。Freeは企業価値ランキングで4社に入っており、推定企業価値は679億円でした。

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2020年2月25日の終値ベースでは1株4,000円となり、時価総額は1,900億円となっております。公開価格は2,000円でしたので、現在はちょうど倍になった形ですね。IPO直後には2,700円を付け、そこから順調伸びてきています。

Freeeの事業は、会計と人事のソフトウェアに特化しており、これらのソフトウェアを定額にて提供している会社となります。

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売上高も2020年2Qの前年同月期比で56.1%成長で、2018年からすべてのクォターでの成長を達成しています。売上総利益率も70%を超える水準で推移しており、営業利益率もマイナスが続いていますが、20ポイント以上も改善するなどこのペースで成長を続けることができれば赤字解消も見えてきている状態です。

マクロ環境的には、副業が働き方改革で認められてきている中、個人事業主が増えている一方で、確定申告はまだしも消費税の申告などがよくわからない方々が多いことを考えると、後押しして今後もこのようなビジネスは必要と感じられると思います。

どのようなサブスクリプションモデルなのか?

では、Freeeはどんなサブスクリプションモデルをとっているのか?ということをもう少し紐解いてみましょう。

添付は、個人事業主タイプの料金モデルですがサブスクリプションモデルとしての基本である

・月額制、または年額制

・Good/Better/Bestの3種類の料金体系を意識しており、サービスを分けている

・プレミアム(Best)モデルでは、電話対応をするという人vs人の要素を残している

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という点で、ユーザーから見ると使い勝手の良いサービス提供となっております。基本的にスターターは仕分けをせず、消費税の申告もしないという確定申告のみの人ですから、そもそもFreeeを利用する必要なし、Freeを利用するような人は電話などの応対をする必要を感じないことからプレミアムモデルも利用しない

=>結果として、スタンダードを誘導するように設計されています。

これは、法人バージョンでも同じで法人は、ミニマム、ベーシック、プレミアムと別れるのですが、ミニマムはほぼ企業体が利用するレベルのサービスを満たしていない、プレミアムを利用するくらいならすでに導入しているEPRを利用するか、EPRを利用することを早急に検討すべきで会計と人事だけFreeeなどはやめたほうが良い、内容から

=>結果として、ベーシックを誘導するように設計されています。

これは2020年度2Qの決算説明資料にも如実に表れており、顧客の平均単価は、凡そ3,000円/月となっています。企業が利用する場合のほうが多いと予想されますので、平均が3,000円で収まっているということを考えれば、おそらく80~90%程度がスタンダード、ベーシックでの契約をしていると考えられます。

ただ、これはある種Freeeの狙いでもあるはずなので、経営的に問題はないはずです。

会員数は増加しているのか?

まあ、こんな書き方をすればわかると思いますが、Freeeの会員数は毎年増加をしています。

第1の問題:新規獲得顧客数が鈍化していること

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当たり前と言えば当たり前ですが、成長率は鈍化しています。母数が増えているからだという意見もあると思いますが、実際は絶対数でも増加顧客は減っています。

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第2の問題:解約率が高すぎる

2%/月といわれているFreeeの解約率ですが、これは年間に22%の既存顧客が減ってしまうことを意味します。

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これを既存の顧客数ベースで考えると、新規顧客を月平均で5,000件以上獲得し続けなければ現在の成長スピードは維持できないということになります。母数が増えて、解約率が減ればよいのですが、その気配も今のところないようなので、2%という軸で考えると2020年6月期現在で解約者数は20万社を超えています。

Freeeがターゲットとしている会社数が600万社と考えているとして、シェアが30%であったとしても200万社前後です。現在の成長ペースを維持すると考えると2025年には、成長ストップが見えますので、Freeeはあと5年しか顧客を伸ばすというモデルでは成長ができない会社になります。

サブスクリプションにおいては、ある種致命的になりますので、現在のように人事やほかの分野に手を出しているのだと思います。

次では、Freeeが行っているサブスクリプションの内容と今後彼らが伸びるためにはどの方向に手を出していくのかということを分析してみたいと思います。

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1984年生まれ。現在、機械メーカーで役員。 新卒でコンサルタントとして金融業界のポストM&A戦略・実行に携わる。 その後、機械メーカーに転職し、営業職、財務職、マーケティング職などを歴任。 資格:中小企業診断士、USCPA(米国公認会計士)、税理士試験合格(簿記・財務諸表)