見出し画像

言葉の宝箱 0364【期待って簡単に甘えに変わる】

マカン04

『さよならの夜食カフェ マカン・マラン おしまい』古内一絵
(中央公論新社2018/11/25)

 店主シャールが営む深夜カフェ
『マカン・マラン』を舞台に繰り広げられるシリーズ第4弾最終巻。
『さくらんぼティラミスのエール』『幻惑のキャロットケーキ』
『追憶のたまごスープ』『旅立ちのガレット・デ・ロワ』4話連作短編集。

・貢物をしてまで、友達でいてほしいとは思わない P38

・本当のことを知ろうともしないで、
なんでも自分に都合よく思い込んで P44

・感謝の気持ちって大事よね。
親切に慣れっこになるのは、ただの無作法よ P51

*マカンは食事。マランは夜。
ここで、夜だけオープンするカフェの名前よ。
オーナーのシャールさんは、夜食という意味で使ってるって言ってたわ。
インドネシアの言葉なんですって P54

・誰だって、自分に都合よく、勘違いしたいですもの(略)
友達とか友情って言葉に期待しすぎるのって、
あんまりいい結果を生まない気がするわ(略)
友達に限ったことではないわね。親子とか恋人とかもそうでしょうね。
特別な関係になるとつい嬉しくて、
相手に多くを期待したくなっちゃうけど、
期待って簡単に甘えに変わるから P64

・自分を憐れむのって癖になるの。
だって、傷つくのって楽ですもの P66

・美味しいものを食べると、元気になるわね P68

・誰だっていつまで元気でいられるか、分からないんですもの。
健康って大事よ。心のも、身体のも P140

・儲けってね、信じる者って書くのよ(略)
それを裏切ってしまったら、誰も戻ってきてくれないわ。
信頼があってこその、儲けなの P143

・誰になにを言われようが、そんなこと知ったことではないわよ P144

・不安は誰かが解決してくれるものではないの。
自分自身で向き合うしかないのよ P215

・人は誰かに見送ってもらえれば、
案外、次の一歩をしっかりと踏み出せるものよ P216

・不安と戦うのは、筋トレみたいなものだと思ってるの(略)
そりゃあ、不安と向き合うのは骨が折れるわよ。
筋トレって基本的に苦しいものだから。
でもそれを続けていけば、完全な解決はしなくても、
心の筋力は鍛えられるのではないかしら P221

・時(Time)、場所(Place)、場合(Occasion)――。
この三つの条件さえしっかり弁えていれば、
人は案外自由に生きていけるはずだ P232

・孤独を存分に楽しめるようになったのは、
自分が一人きりではないと気づいてからだ P252

・三つの感嘆――(略)
なにかを食べたら、「美味しかった」
朝起きたら、「よく寝た」
スポーツをしたり、風呂に入ったりしたときには「気持ちよかった」
そう声を出して呟くのだ。
実際にはそれほどでなくても、実感を込めて呟くことで気分は変わる P275

・なにかを選び取っていくためには、
なにかを失う覚悟をしなければいけない人生の不自由さに、
胸が震える(略)
一つのことを得るたびに、多くのものを失ってきた。
ときにはそれが、周囲を傷つけることにもつながる P277

・「旅立つ人にとって、見送ってくれる人がいるのは嬉しいことよ」
考えが違っても、一緒にいることはできる。
認められなくても、見守ることはできる。
理解できなくても、思いを馳せることはできる P281

・この世には、
安易な生きやすさを求めるために、権力にすがって徒党を組み、
叩きやすい人間を踏みつぶし、自分を守ろうとする人たちが大勢いる P282

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?