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言葉の宝箱 0592【考えすぎてはなにもできない】


『湯けむり食事処 ヒソップ亭』秋川滝美(講談社2020/5/25)


数年前に有名料亭の料理人をある事情から辞めた
章は幼馴染夫婦が経営する素泊まり温泉旅館『猫柳苑』の
食事処『ヒソップ亭』の主人になった。
厳選素材の料理に、名酒を揃える店は評判となるが、
史跡めぐりの定年退職者、ひとり旅の女性、出張の中年男性など、
店を訪れる客たちは様々な事情を抱えていた。
『妻の思惑』『ピンバッジの思い出』『酒を知る客』
『桃子の気がかり』『差し込む光』5話連作短編集。

・どんな料理であろうと、できる限りの趣向を凝らす。
無料かどうかなんて関係ない P9

・拙い腕でも、時間が味方してくれることもある P16

・頭でわかってても、気持ちが納得しない P44

・考えすぎてはなにもできない。
苦境であればあるほど、大きな挑戦のチャンスだ P51

・駄目なお店は放っておいても潰れるし、
呪いは自分に還ってくることもある P132

・どんな欠点も、裏返せば美点になる可能性があるのだから、
できるだけいい面から見るようにしよう P151

・若い客は行きたいところも多い。
同じ観光地に二度、三度と足を運ぶのは、
あっちもこっちも行き尽くした中高年だからこそだ。
新しい場所に行くよりも、
勝手知ったる場所で寛ぎたいという気持ちが
『定宿』という観念を生み出す P196

・強い意志は初めからあるとは限らない。
寄り道によって育つこともある P262

・美味しいものを食べれば、人は優しい気持ちになる。
湯に浸かれば、緊張が解ける P269

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