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言葉の宝箱 0451【逃げたのは負けたからではない。これ以上続けていたらお互いの関係がまずくなる一方だと判断したから】


『はなうた日和』山本幸久(集英社文庫2008/5/25)


『ハッピー・バースディ』
定年間近の平凡な会社員の虹脇は突然部下の美人OLから飲みに誘われる。
手を握られながら「副社長を殴ってほしい」と頼まれる。
『五歳と十ヵ月』
売れないアイドルのミドリは今日もオタク相手に撮影会。
その帰りに子連れの元カレと再会。

裏表紙に
「さえない日常の中にある、小さな幸せときらめきを描いた」と
「さえない」とあるが、「ありふれた」日常の間違いだろう。
世田谷線沿線を舞台に「これって幸せだよね」
そう言える小さな幸せがいっぱい詰め込まれた
『閣下のお出まし』『犬が笑う』『ハッピー・バースディ』『普通の名字』『コーヒーブレイク』『五歳と十ヵ月』『意外な兄弟』『うぐいす』
『エリの花』9話短編集。文庫化に際し、書き下ろし短編を収録。

・泣くつもりはなかったのだが、つい喧嘩相手につられてしまった。
逃げたのは負けたからではない。
これ以上続けていたら
お互いの関係がまずくなる一方だと判断したからだ  P11

・恋をはじめよう。
十三人どころか、ひとりの女も満足に口説けないような不器用な男と  P69

・余計なことを知らなければ、肝心なことができませんからね(略)
答えはいつもおのれの中にある P79

・そうくるか。あきらかにミハルは強がっている。
友彦だったら、と彼女がいう場合は、じつは自分も含んでいるのだ P113



生きていればいろんなことがある。
きっと誰にでも …………
そんな時
体調が良ければ走るのが一番だけど、
そうでない時は本を読むのがいい。
用意するのは付箋。
気に入った文章の横に貼り付けつつ読み進む。
読み終わったら付箋を貼った部分を読み返し
抜粋するかどうか検討しながら付箋を剥がして行く。
こんな動作も気晴らしになる。


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