見出し画像

梅田の!ローカルメディア座談会 DAY2に参加しました

阪急電鉄が梅田の再開発にともない、梅田のローカルメディアづくりを進めるための座談会を3回にわけて開催。企画協力は尼崎市の「株式会社ここにある」です。第1回目につづき、今回も「梅田の!ローカルメディア座談会」に参加してきました。


テーマ「記事作成は大喜利?」

~そこにあるものを別の視点で眺めてみる力と孫力(まごりょく)について~


座談会 DAY2

第2回目のゲストスピーカーは、エッセイストの島田彩さん&バックヤードウォッチャーの今井夕華さん。実は前回の座談会で、島田彩さんとお話する機会があり名刺交換もさせていただきました!
前回ワークでご一緒した大学院生とも再会し、顔見知りの人たちが増えてきてうれしい限り。

今回もリアルイベントならではの空気と、どんなお話が聞けるかというワクワク感でいっぱい。聞いたこと、感じたことをレポートします。

ゲストの自己紹介

エッセイストの島田彩さんは、note「今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く」など、いくつかの作品がSNSで話題となり、作家活動をスタート。今回はChatGPTで自己紹介文を作成し、披露してくれました。ご本人の特徴をそれっぽく捉えていて、改めてChatGPTってスゴイ。「言葉のシンフォニー」というワードが印象的でした。

今田夕華さんは、群馬県出身の編集者・バックヤードウォッチャー。企業やお店のバックヤードを見るのが大好きだそう。Webメディア「NeWORLD」で「今井夕華のバックヤード探訪」も連載されています。マクロの視点で世の中を見ており、ほとんどの人が通り過ぎて見向きもしないモノに注目し、そこにある理由や意味を想像するのが習慣だそうです。

今井夕華さんのZINE(※ご本人の許可を得て撮影)


ZINEってこんなに自由なんだと知りました!

孫力(まごりょく)とは?

素敵なゲストを目の前にドキドキ

パンフレット見たとき、「孫力」ってなに? と疑問が。今回のお話を聞いて分かったことは、「孫力=コミュニケーション手法のひとつ」の意味合いで、ヒトやモノを好きになる能力、相手の懐にスッと入る能力のこと。お二人にあてはまる特技ともいえます。
たとえば町工場の寡黙なおじさまの話を自然に引き出す、孫がおじいちゃんに聞くように好奇心をもって質問する…etc。とにかく相手のことを知りたいという気持ちを、包み隠さず出すのだそう。そうするといつのまにか相手が心を開いて、思いもかけないエピソードを聞けることがあるとか。「取材ではいい素材を集めることが大切」と、私が京都ライター塾で教わったのと同じことをおっしゃっていました。

書くときのこだわりは人それぞれ

島田さんはエッセイを書くとき、タイトルを最後に付けるそう。言葉同士の間が物語になるからだとか。たとえば、「タイムカード」と「えんぴつ」は似たもの同士のワードだけれど、「タイムカード」と「シュークリーム」は言葉の距離が遠い(関連性が想像しにくい)。でもこの間に生まれる物語を書き綴ることでエッセイが出来上がると言います。
話題になった島田さんのnote「今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く」のタイトルでいうと、「ユニクロの白Tを買う」と「泣く」の間にエピソードがある感じ?かな。(ぜひ島田さんのnote読んでみてください、心温まります。後日談もぜひ)

一方、今井さんはコンテンツを作る際、音読してリズムを整えたり、同じ文末が続かないようにしたりと細部までこだわっているそう。取材させてもらったお礼(バックヤードを見せてくれた恩返し)として原稿を書く。自分が作ったコンテンツはすべてが愛おしく大好き、と今井さん。取材後の雑談中、相手が素の姿を見せてくれたときに、いい素材が集められることもあるそうです。


今井夕華さんが編集執筆を手掛ける「デザインのひきだし」

ネタの見つけ方

島田さんは街をぶらぶら歩きながら、過去の思い出やそのときのシーンを思い浮かべ、思いついた場所に行ってネタを思いつくそう。
もしもパン屋さんというテーマを与えられたときは、お店に行ってメニューや店内を見るのではなく、お店から出てくる人、まわりの家を見るとか。まさに人とは違う視点で見ることの面白さを知っている方の発言です。

編集者の今井さんは、テーマ(場所やヒト)が決まっていることが多く、「面白い人がいるよ」と紹介で取材をすることもあるそう。片手袋研究家さんのこだわりや、マニアのエピソードなど、とても面白いお話が聞けました。

取材のアポ取りのコツ

アポ取りでは、「メールの文面をかしこまった感じにせず、『!』を使ってやわらかい印象にする」と島田さん。「恐縮ですが~」のような普段話し言葉でつかわないワードでなく、「こんにちは。私は~」と自己紹介を含めて内容を書いたあと「P.S.」を付けて文章を終えるのだそう。まだ会っていないのに、メールを送った時点でもう相手の懐に一歩入れるのは、島田さんの人柄なのかも。

それぞれの趣味?暇な時間の過ごし方

島田さんの暇な時のおすすめは、Googleマップでお店のコメントを見てものすごく低評価の人を見つけること。その人がコメントしたほかのお店を探して、高評価をつけているお店はどんなもんかとチェックするのが楽しいそうです。

今田さんは時間があるとき、数独やルービックキューブをするそう。あと夕華さんのお名前のとおり、夜の街が好きだとか。そういえば今田さんは女優の「のんさん」と生年月日も身長も血液型も同じそうです(魅力的な星のもとに生まれたようです)。

参加者同士でグループワークも

座談会では毎回、近くに座った参加者数人でワークを行います。「梅田のローカルメディアでこんなコンテンツがあったら読みたい、面白そう」というネタを考えたり、「梅田のこんなこと知ってる」を出し合う時間。結果は回答アプリで投稿してみんなに共有。知らない人同士ですぐに語り合える関西人ってスゴイし大好き(私は神奈川出身で関西弁もしゃべれませんが、誰とでもすぐ打ち解けます)。今回は、大学院生、大学生、スプレーアーティストと4人でグループワーク。いろんな出会いがあって楽しかったです。

最後は質問への回答

記事を書くのに向いている人は、「素直な人、何でも面白がれること」だそう。あと、お二人とも声をそろえて言っていたのが、「目が合ったら笑顔でしっかり挨拶が基本!」と熱弁。誰に対しても素直で自然体なので、取材相手も話しやすいんだろうなと感じました。今井さんは苦手だなと感じる人でも、寄り添えるポイントを探しているうちに苦手意識がなくなるとか。

話を聞いているうち、今田さんの言う「プルプルハート(素直で純真な気持ち)」で「孫力」を発揮すれば、どんな相手でも心を開いてくれる気がしてきました。また、スケジュールを詰めすぎないのも、楽しく仕事をするポイントだそう。行きたい飲み会やイベントに参加できるし、心の健康も保てる。私も仕事に余白を作っているつもりだけれど、心の余裕がなくなるときがあるので、スキマ時間を作ってもっと仕事を楽しめるようにしたいです。

お二人の話を聞いて

座談会で話を聞いていると、お二人とも感性が似ているなと感じました。二人は座談会前に梅田周辺の散策に行き、気になったのが、とある飲み屋街の天井のスプリンクラーと配管、あと台形型の変わった扉だそう。もう視点がマクロというか、世の中にあるものすべてをひとつも漏らさず見回している感じです。
あのスプリンクラーはなぜあの形状なのか、配管はなぜあそこにあるのか、どこにつながっているのか、たどったら何があるのかなど、お二人とも好奇心の塊で、会場からも笑いが絶えませんでした。

私も街を歩いているとキョロキョロ見回して、変なものを発見するのが得意です。興味を惹くものがあれば、信号渡ってわざわざ見に行くし、旅行中も予定してない場所に行くことも。こういうところを日々意識していけば、取材の企画書ネタもたくさん思いつくかもしれないと感じました。

あとお二人とも、自分が好きなことを仕事にしたとおっしゃっていたのも印象的。うらやましくもあり、今まさに自分が目指している場所なので、いいタイミングでこのイベントに出会えて、参加できて良かったです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?