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スイ
2022年5月5日 08:53
前の記事はこちら10代後半まで住んだ町を、Googleマップで見つけたのは2週間ほど前のことだった。漁村だった海辺の小さな町はすっかり姿を変えていた。夏、週末になると水着の上にワンピースをかぶり、浮き輪をかついで出かけた砂浜は、何年も前に護岸工事が完了していた。タコ壺がいくつも並べられたバラック小屋は、コインパーキングになっていた。考えてみれば当然のことだ。目の前にある島との間
2022年5月5日 08:48
ごちそうさま、と夫は席を立った。ランチに入ったレストランでオーダーから35分。私の前にはまだ何の皿も置かれていない。恐らく、店の人は忘れているのだろう。夫はその間、自分の目の前に置かれた食事を一度として私とシェアすることも、連れの食事はまだかと尋ねることもなく食べ終えた。同じことはこれまで何度もあった。無神経な夫に不満をぶつけたこともある。けれど今の私に怒りはなかった。いつもと同じ