イタリアン 2018/07/16
母親が去年の9月に脳内出血で搬送されて入院、リハビリ病院への転院、今年4月中旬に退院後に僕の妹(母親にとっては娘)の家族にお世話になりながら介護生活を送っている。でなければ退院後にいきなり自宅マンションでの独居生活を送ろうとしてもほぼ全介護の生活しか送れないのではないか、という不安があり母親のリハビリを続けての身体パフォーマンスを伸ばすには常に家族で見守って発破かける必要があるんだからそうなったとしたら私が看るしかないじゃないの。と言う妹に任せたものの結局は身体的パフォーマンスの大きな進展もなく秋に自宅マンションに帰っての生活に収まることになりました。その方が母親にとっても自然な生活になると想像できるのでそれで良かったと思いますし、今まで以上に「それなりに」母親の自宅マンションから徒歩2分圏内に住む僕も介護に介入しなければならないのかと思うと少しばかり慄いている状況です。
今現在は遠方での今までと違った生活を送っている訳ですが月2回くらいのペースで週末に自宅マンションに帰ってきて僕が身の回りの世話をする形式で様子を伺っています。要介護5とは思えないくらいには排泄、食事摂取、就寝、着替え、入浴と自分自身のことはこなしているので世話にはそれほど困らないのですが欲を言えばもう少し自主的に動いたり行動したりしてくれると有難いなぁ、ということくらいです。リハビリも兼ねるとなると適度な運動を施さないと筋肉量は減退し脳機能の衰退にも繋がってしまうことになります。行動惹起や認知作用に於いても脳機能への影響が大きいですから所謂認知の度合いを維持するのに寄与するということも含めてみると、目の前の状況は完全なるジレンマですが母親本人にとっては非常にしんどいし面倒臭いのであろうな、という想像も欠いてはいけないというところが介護する側にとっては精神上の重荷になっていることが辛いところです。
今のところ「まぁ、死ななきゃいいか」というのが最低限のボーダーラインとすれば難しい問題は皆無なので安心と思えばいいのですがこればかりは周りの介護者の経験談とこちらの介護する側の介護介入パフォーマンス能力のポテンシャルに左右されることなので一概には判断できませんし、成すがままにしか成らないとしか言いようがない。
そして去る6月18日に起こった大阪北部地震の際に母親の自宅マンションのエレベーターが終日機能停止になった時に幸運にも不在であったことと、7月5日から翌日にかけての関西と西日本に降り注いだ豪雨(平成30年7月豪雨と命名されたらしい)の懸念もあり先週末まで帰宅を延々と延期していました。
久しぶりの帰宅なので何が食べたいのか希望があるか訊いてみると判を押したように「なんでもいいよ。あんたが決めて!」の投げやり節の炸裂します。世の中の家事をなされてる家庭の人々の鬱積を垣間見る思いです。
「夕飯、何が食べたい?」
「ささっと作れるものでなんでもいいよ」
作ろうとしてる人はそんな答えを待っている訳ではないのです。
何を食べたいのかを訊いてる訳ではなくて、何を作ればいいのかの指針を、アドバイスの一つでも、ヒントとしての手がかりを欲しているだけなのです。
ささっと作れるものを思いついたならば訊く前に勝手にささっと作って目の前に出しとるやないかい!っていう話です。夫婦は漫才やってる訳じゃないからここで料理を用意する方はブチっと血管切れてしまうわけになって喧嘩になってしまうのです。母親みたいにホンマに頭の血管切れないように重々注意していただきたいです。
というわけで、自宅宿泊最終日の祝日である海の日の晩にいつもの馴染みのイタリアンであるPiano Pianoに寄って晩御飯食べさせてから妹のところへと帰らせました。
メニュ見ながら何にする?これにする?それともアレにする?と喧々諤々と思案しつつも何でもええでと言われながらじゃあこれにするか?と訊くともっとそんなんじゃない方がいいとか言い出してじゃあこっちのこんなんどうやろ?ってやり合っても暖簾に腕押しとはこのような状態でなかなかに決めれそうで決めれない優柔不断さが普段以上に垣間見れて傍観するとすれば吉本新喜劇ぽくてやはりつっこむところはつっこみたいな、みたいになってしまう余裕などは今みたいに時間が経過しないと生まれないのがなんとも勿体ない話である。結局はいつも母親と一緒に二人で食べてたメニュの内容と風変わりなところのないオーダーとなる。
pane : フォカッチャ、ピッツェッタ、グリッシーニ
antipasto 1 : 生ハムと宮崎県産完熟マンゴーの盛合せ
antipasto 2 : キャビアの冷製スパゲティーニ
antipasto 3 : ウサギ肉と野菜の冷製テリーヌ
primo piatto : 生雲丹のスパゲティー
second piatto : 近江牛タリアータ
formaggio misto
dolce : モカのジェラート、蜂蜜のジェラート
vini : Franciacorta Ca'del Bosco
Vino Sangiovese bianco 2016
Capo Volto bianco 2016
Langhe Nebbiolo 2014 Cascina Ballarin ,
degeitivo : Amaro , Grappa di Donna Fugata Mille e una Notte
caffe espresso
脳出血で倒れる前までに一緒に食べていたオーダーと変わらないオーダーだけれども彼女にとって変わった点といえば彼女はアルコホルを嗜まなくなったことなので美味しい美味しいと言いながら食べてはいるが味は濃く感じられてるんじゃないかなぁと危惧するところがありつつも、それだけではなくて認知的にボケかかってるのか否かの判断はつかないのが現時点であり、生暖かく見守っていく次第である。
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