愛着の媒介としての手すり
建築家という種族は、えてして手すりのデザインに非常にこだわりがちである。業界歴が長くなると、手すりを見ただけで、これはあの人の設計だ、とかまで判るようになってくるらしい。
手すりの形は建築デザインにおける名刺代わり、シグネチャーになっているということだ。
ではなんでそこに拘るのか?と考えると、家具を除いて建物と人間が直に接触するポイントは、足の裏を除けば、非常に限られていることに気がつく。ひとつはドアノブ、もう一つは手すり、あとはスイッチやリモコンくらいか。
だがコロナ禍の