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身体に合わせた住環境整備、そのための理論

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身体に合わせた住環境整備を考えるための理論について ケアマネさんやリフォーム関係、リハ職の皆さんにも
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2024年4月の記事一覧

二本の脚に矢印を重ねて  〜支持基底面と重心位置のはなし ①

介護福祉士養成校の授業で、この話だけはキチンとしなければ、といつも考えている内容が、これ…

「気をつけ」たら縛られてる?! 〜支持基底面と重心位置のはなし ②

支持基底面と重心位置の話、つづき。 「気をつけ!」という動作が、日本の教育界などにはある…

ダンス・ウィズ・ハンドレール 〜支持基底面と重心位置のはなし ③

続き物のはなし第三弾です。 高岡早紀という女優さんをご存知だろうか。 自分とほぼほぼ同世…

手すりが身体を操作する 〜支持基底面と重心位置のはなし ④

支持基底面と重心位置のシリーズ、 その4でひとまず完結編である。 先の話では、ダンスにおけ…

アンチユニバーサルな介護保険 〜万能ワークチェアに見るその矛盾(前編)

お金を取る事には八方手を尽くすが、払いは渋いのが行政の常である。 だが、公が推している理…

手すりは、手すりだけではない

つまり、手すりの役割は手すりだけが果たしているわけじゃない、ということである。手すり屋は…

とりあえずのL字?! 〜トイレ手すりの刷り込みとコストの話 (前編)

洋式トイレのL字手すりについて、である。 自分が講師をしている介護福祉士養成校で使っている教科書にも、トイレには決まってL字手すりがお勧め、とあるので、それを刷り込まれているリハ職、介護職の皆さんは多いと思う。 ケアマネジャーさんからの相見積の依頼でも、何気なくそう指定されてくることが多い。とりあえずビールならぬ、とりあえずのL字である。 また、TOT⚪︎さんなどユニバーサルデザイン関連の研究を怠らないメーカーさんでも、パブリックトイレの仕様として、壁側の手すりはL字が標

横使い上手になろう 〜トイレ手すりの刷り込みとコストの話 (後編)

前回の続き。前編、先ほどちょっと追記しました。 横手すりをトイレに導入するのもけっこうア…

第三の手すり ~ハンドレールとグラブバーと、あとひとつ

「手すりは大きく分けてハンドレールとグラブバー、その複合型に分類されます。ハンドレールは…

車いすのドメスティック進化 〜6輪車いすの話

かつて自分がいた大学に、車いすの動線やら空間やら何やらを研究テーマにしている先生がいらっ…

ゆるい床にはフタをしろ! 〜福祉用具の隠し技 ①

先日、床がミルフィーユになる話を書いたら意外に閲覧数が多く、皆さんこれに悩んでいるのだな…

便座の上まで、バックオーライ 〜福祉用具の隠し技 ②

在宅介護における部門別の難易度をつけるなら、寝室からトイレへの非歩行の移動介助は、入浴と…

アレを踏み台にしたぁ!?

なんとなくわかる人にはわかるタイトルにしてみました。 あのシーン、左股関節の可動域制限を…

「合理的配慮」に「慮」の意味はない?

そのうちお蔵出しするつもりの、デリケートな連続投稿のための補助線として、まずはこの単語を深堀りしてみようと思う。 障害をもつ方向けの仕事をすることや、介護福祉士の学校で教える立場になっていることもあり、障害者に対する政策についての最低限かつ、ひととおりの知識は持っているつもりではある。 それを考える際、いまは「合理的配慮」という言葉と常に向き合わなければならないのだが、これが曲者だとおもう。 まるで憲法に記された「公共の福祉」みたいな、シン・錦の御旗的な存在である。 そ